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『こちらあみ子』で鮮烈なデビューを飾った森井勇佑監督が、中尾太一の詩集「ルート29、解放」に着想を得て制作。姫路と鳥取をつなぐ国道29号を舞台に、綾瀬はるか演じる他者と距離を置くのり子と風変わりな少女ハル(大沢一菜)の旅路が描かれる。不思議な人々との出会いを通して、のり子とハルが歩む道は、果たしてこの世か、あの世か──。今回はファンタジックな物語の舞台となった国道29号を巡ってみよう。 |
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清掃の仕事で訪れた病院で、入院患者の理映子(市川実日子)に「姫路にいる娘を連れてきてほしい」と頼まれたのり子。その頼みを受けた彼女が、職場で思い切った行動に出る場面は、鳥取市の「鳥取県立博物館」でロケが行われた。 鳥取城跡内にある鳥取県立博物館は、約20万点の資料を所蔵し、通常展示では鳥取県の自然や人々の暮らし、歴史をわかりやすく紹介している。鳥取の全体像を把握して旅をスタートすれば、より深く楽しめるだろう。 |
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鳥取の人々の暮らしを体感するなら、ぜひ地元の商店街をのぞいてみよう。鳥取県立博物館から車で5分ほどのところにある「若桜街道商店街」や「鳥取太平線通り商店街」は、昭和から続く歴史ある商店街だ。また、夜になると、シャッターに浮かび上がる若桜街道商店街の影絵も人気を集めている。劇中では、地元のたくさんの人々の協力のもと、とても幻想的なシーンが撮影された。 |
| 国道29号のほぼ中間に位置する八頭町や若桜町周辺では、徒歩で進むのり子とハルの姿や、のり子の姉(河井青葉)との再会シーンが撮影された。レトロな列車が走る若桜鉄道や江戸情緒を残す町並み、大江ノ郷自然牧場やフルーツ狩りなど、見どころも多く、里山ならではの穏やかな時間を楽しめる。また、国の登録有形文化財に登録されている隼駅はライダーの聖地としても知られている。 | ![]() |
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監督:森井勇佑 兵庫・姫路から鳥取へと伸びる国道29号線を舞台に、孤独を抱えて生きる清掃員・のり子が、不思議な雰囲気をもつ少女・ハルと出会い、心の距離を少しずつ縮めていくロードムービー。監督は『こちらあみ子』で多くの観客を魅了した森井勇佑。主演の綾瀬はるかがのり子を演じ、『こちらあみ子』で印象的な演技を見せた大沢一菜がハル役として共演する。さらに、心の病を抱えるハルの母・理映子を市川実日子が演じ、伊佐山ひろ子ら実力派俳優が物語に深みを添える。本作は、第37回東京国際映画祭のガラ・セレクション部門にも正式出品されている。 他人と深く関わることを避けて生きているのり子(綾瀬はるか)は、鳥取の町で清掃の仕事に就いていた。入院中の理映子(市川実日子)から「姫路にいる娘をここに連れてきてほしい」と、頼まれる。写真を手に姫路へ向かい、林で秘密基地を作る風変わりな少女・ハル(大沢一菜)と出会う。のり子に『トンボ』とあだ名を付け、ハルと共に、姫路から鳥取へ続く国道29号線を進む旅が始まる。道中、犬を連れた赤い服の女や旅を続ける親子、そして姉との再会など、さまざまな人々との出会いが彼女たちの心を少しずつ変えていく。 |
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