東京から車でおよそ4時間。北アルプスの美しい山並みを望む長野県・白馬村は、レベルや好みに応じて楽しめるバラエティにとんだコースが魅力のスキー場。1998年の長野オリンピックも開催された、いわばウィンタースポーツの聖地である。そんな日本を代表するスキー場が今回ご紹介する『銀色のシーズン』の舞台となった。 後立山連峰の見事な眺めを眩しそうに見つめ、断崖絶壁を一気に滑り下りる銀、裕次、次郎の3人。まるでダンスをしているかのような圧巻のスキー・パフォーマンスで幕を開けるこの映画は、自由奔放な3人の青年が主人公だ。監督は『海猿』シリーズや『おっぱいバレー』で知られる羽住英一郎なのだが、周囲の迷惑も顧みずバカなことばかりやっているこの“雪猿”たちは、己の使命にストイックに燃える“海猿”たちとは全く正反対の存在といえるだろう。 便利屋としてスキーの個人レッスンや駅への送迎などをする一方で、賭けスキーに参加したり当たり屋になったりとやりたい放題の3人。しかしそんなある日、結婚式を3日後に控えたスキーができない花嫁・七海との出会いを経て、彼らの中で少しずつ何かが変わっていく。元日本代表のモーグル選手だったが怪我がもとで挫折した銀をはじめ、この映画に登場する人物たちは、過去の失敗についてウジウジ悩んだり、あきらめたりと、青春スポーツ映画らしからぬ後ろ向きな性格。だが、ひとたびスキー場へ足を踏み入れれば、そんな彼らの独壇場となる。 |
白馬村でおよそ3ヶ月かけて撮影された本作では、7つのスキー場をはじめ、レストハウスや宿など白馬村の様々なスポットを見ることが出来る。たとえば、映画冒頭に宣伝ビラを巻くために銀がパラグライダーで飛んだのは長野五輪で日本中を沸かせたアノ「白馬ジャンプ競技場」。また、祐治と次郎が賭けレースに挑んだ場所は「Hakuba47ウインタースポーツパーク」。そしてモーグル大会のシーンが撮影された「名木山ゲレンデ」では、コースの一部を1ヶ月貸切にし、ワールドカップさながらの本格的なモーグルコースを設営。全国各地からエキストラを3000人以上動員し、リアルな競技大会が再現された。 トップ・スキーヤーによる脅威のスキー・パフォーマンス、それを余すところなくとらえた最新鋭のカメラワークで、スキーの魅力や等身大のリアルな若者の姿を存分に映し出した本作。オリンピックの開催の地でスキーと温泉にのんびりつかって、この映画のように今シーズンのウィンタースポーツを思い切り満喫してみてはいかがだろう。 |
|
|||||||||
監督:羽住英一郎 監督は、『LIMIT OF LOVE 海猿』の羽住英一郎。舞台を“山”へと移し、スキーを楽しむ男たちとスキーができない花嫁、そして周囲の人々が綴る青春群像劇を描く。主人公の銀役を『サマータイムマシン・ブルース』の瑛太、ヒロインの七海役を『ゲゲゲの鬼太郎』の田中麗奈が演じる。銀の仲間の祐治に羽住監督作『逆境ナイン』で主演を務めた玉山鉄二、次郎に羽住組常連の青木崇高、仲居のエリカに佐藤江梨子と、魅力的なキャストが集結している。長野県白馬村の全面協力を得て、極寒の雪山で3ヶ月に及ぶ長期オールロケを敢行。10トントラック7000 台分の膨大な雪を用意し、モーグルコースや美しい雪の教会を造るなど、1本の映画のためとは思えないスケールのロケセットの中、撮影が行われた。 雪山でやりたい放題の日々を過ごしている≪雪猿≫たち、城山銀(瑛太)・小鳩祐治(玉山鉄ニ)・神沼次郎(青木崇高)の3人組は寂れた町営スキー場の“雪山の何でも屋”。個人レッスンからスキーのチューンナップ、駅への送迎まですべてを商売にしている。しかし時には、賭けスキーに興じたり、スキー場で当たり屋を演じたりと、まわりの人々に迷惑を掛け続けている困ったヤツら。そんなある日、東京から結婚式を3日後に控えた全くスキーのできない花嫁・綾瀬七海(田中麗奈)が彼らの前に現れる…この偶然の出会いが、≪雪猿≫たちの心を揺り動かし、新たな一歩を踏み出す勇気をもたらした…。 |
『銀色のシーズン スタンダード・エディション』
・発売日:発売中・発売元:フジテレビジョン/ROBOT/東宝/電通 ・価格:¥3,990(税込) ・(C)2008 フジテレビジョン/ROBOT/東宝/電通 |