「涙は心の洗濯」という言葉があるが、近年「泣く」ことによって心のリフレッシュを図る人が増えているという。「泣ける」映画などを見て、わざと涙を流す。確かに、感動的な物語の世界にどっぷりと浸り、思い切り涙を流せば、猛暑で疲れた心と身体も少しは癒されるかもしれない…そんな折にぜひ見ていただきたいのが、沖縄を舞台に温かな兄妹愛を描いた映画「涙そうそう」である。 「涙そうそう」(なだそうそう)とは、沖縄の言葉で「涙がぽろぽろこぼれる様子」を表すという。血の繋がらない兄妹(妻夫木聡、長澤まさみ)が一途なまでに相手を想い、支えあう姿を描いたストーリーが、タイトル通り爽やかな涙を誘う作品だ。若手人気俳優ふたりの瑞々しい演技の背景には、ロケ地・沖縄の魅力もふんだんに盛り込まれている。 自分の店を持つことを夢にひたむきに働く兄・洋太郎が、配達の仕事で駆け回るシーンは、那覇市民の台所・第一牧志(まきし)公設市場で撮影された。色鮮やかな魚や豚足、ゴーヤなど沖縄らしい食材が並ぶ活気溢れる市場は、観光客にも人気のスポット。劇中にも登場する、陽気な市場のおばあと言葉を交わせば、素朴で温かな島人の心に触れることができるだろう。 |
また妹・カオルが幼い頃、道に迷うシーンでは沖縄の大自然が感じられる残波岬が登場する。海に突き出た絶壁が2kmも続く岬は、劇中では嵐のシーンだが、晴天時には青い海、白い灯台のコントラストが映える絶景スポット。ダイビングの名所としても知られる美しい海を眺めれば、波音に心まで洗われそうだ。 沖縄のまぶしい風景と温かな兄妹愛に触れ、爽やかな涙を流した後には、きっとほんの少し心が軽くなっているだろう。映画を見て心と身体が軽くなれば、今度は思い切って沖縄へ訪れてはいかがだろうか。本物の海・風・太陽と、島人の温かな心が、さらなる癒しをもたらしてくれることだろう。 |
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監督:土井裕泰 誰からも親しまれ、愛されている名曲「涙そうそう」をモチーフに誕生した、切なくも美しい、愛の物語。沖縄に生まれ育った、"血のつながらないふたりの兄妹"、洋太郎とカオルの小さな歴史が、繊細なタッチで真摯に描き出されている。いつも笑顔を絶やさない、素朴で心優しい兄・洋太郎役を演じるのは、日本映画界の若手トップスター・妻夫木聡。また、妹・カオル役を、『タッチ』『ラフ』などの長澤まさみが、透明感たっぷりに演じている。そして、そんな兄妹を取り巻く人々には、小泉今日子をはじめ、麻生久美子、塚本高史、森下愛子、中村達也、平良とみ、船越英一郎、橋爪功など、豪華俳優陣が扮している。監督は、『いま、会いにゆきます』の土井裕泰。 2001年、沖縄。いつか自分の飲食店を出すという夢を持ち、ひたむきに生きる働き者の青年・新垣洋太郎(妻夫木聡)は、今日も食材運びのバイトに精を出している。沖縄の青空のように明るく、おおらかな性格の洋太郎だが、この日はいつにも増して陽気で、仕事をしながら絶えず笑顔がこぼれている。それもそのはず、洋太郎が誰よりも大切にしている妹のカオル(長澤まさみ)が高校に合格し、オバァと暮らす島を離れ、本島にやって来るのだ。洋太郎が8歳の頃、母・光江(小泉今日子)の再婚によって洋太郎の妹になったカオル。だが、義父は姿を消し、母も幼い兄妹を残して天国に旅立ってしまった。以来、洋太郎は、「カオルはひとりぼっち、どんなことがあっても守ってあげるのよ」との母の遺言を胸に生きてきたのだ。 |
『涙そうそう スタンダード・エディション』
・発売日:発売中・発売元:TBS・アミューズ ・販売元:アミューズソフトエンタテインメント株式会社 ・価格:¥3,990(税込) ・© 2006 映画「涙そうそう」製作委員会 |