今や、日本人が海外で活躍することは珍しくない。映画の世界でも日本人俳優が外国作品に出演したり、海外の映画祭で日本人監督が賞を獲得したりというニュースをたびたび聞く。しかし、今から50年以上前、すでに海外で大きな影響を与えた映画があった。それが黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』。ジョージ・ルーカス監督が『スター・ウォーズ』を手がけるきっかけの作品である。そして、時を経て、『隠し砦の三悪人』は『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』としてリメイクされた。
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時は戦国。とある地方の国・秋月は隣接する山名に攻め込まれて陥落。しかし、秋月の姫・雪姫と軍資金は城から消えていた。そこで、山名は武蔵や新八など多くの民を投じて軍資金を探す。ある日、異臭騒ぎが発生し、これに乗じて武蔵と新八は脱走。途中、金塊を発見して喜ぶ2人だったが、秋月の武士・真壁六郎太と男装した雪姫に捕らえられてしまう。六郎太が金塊を同盟国の早川に運び出そうとしていることを知った武蔵は秘策を提案。4人は早川への脱出を試みるが…。主役の武蔵に松本潤、雪姫を長澤まさみ、お調子者の新八を宮川大輔が演じ、六郎太には阿部寛と多彩な顔ぶれが並んだ作品となっている。
映画の中で秋月の城として登場するのが熊本城である。熊本城は1607年に加藤清正が築城。1877年に炎上するが、現在は「熊本城復元整備計画」により、かつての姿を復元整備する作業が進められている。広大な敷地の中には映画に出てきた天守閣のほか、宮本武蔵が晩年を過ごした千葉城、国の重要文化財で城の建立当時の姿を残す宇土櫓など、さまざまな歴史的スポットがある。 |
さらに夏にはイベントも行われており、まず7月24日から8月31日までは夜間も開園。ライトアップされた熊本城を楽しむことができる。また、8月には肥後朝顔展が行われ、期間中は毎日約80鉢が展示されるということだ。原種のままの形を保ってきた肥後朝顔は、鉢に咲く一輪の花がとても美しい。
時代が変わってもなお人々に親しまれ、心の安らぎも提供してくれる熊本城。この夏、『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』で見た荒々しい様子とは一味違う雰囲気を確認しに行ってみてはいかがだろう。
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監督:樋口真嗣 1958年に公開され、その語り口とダイナミックなスピード感に"エンタテインメント映画の傑作"と評価され、数々の映像作家に様々な影響を与えた黒澤明の『隠し砦の三悪人』をリメイク。主演は、人気グループ「嵐」のメンバーで『東京タワー』『僕は妹に恋をする』などに出演する松本潤。さらに、『世界の中心で、愛をさけぶ』の長澤まさみ、『魍魎の匣』の椎名桔平、『チーム・バチスタの栄光』の阿部寛など、演技派の俳優陣が集結した。本作のメガホンを取ったのは、『ローレライ』『日本沈没』などの樋口真嗣監督。 弱肉強食の戦国時代。とある地方に、互いに国境を接する早川、秋月、山名という三つの国があった。ある日、山名が秋月に侵攻し、秋月城は陥落。しかし、生き残った雪姫(長澤まさみ)と莫大な軍資金・黄金百貫は城から消えていた。秋月領で隠された黄金を探す、山名軍の過酷な労役から逃亡した金掘り師の武蔵(松本潤)と木こりの新八(宮川大輔)は、ひょんな偶然から秋月の隠し金を発見するが、突然現れた真壁六郎太(阿部寛)と名乗るサムライとその弟に金を奪われてしまう。武蔵たちは、秋月領から金を運び出す奇策を授ける代わりに金の分け前を要求するが…。 |
『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS スタンダード・エディション』
・発売日:発売中・発売元:バップ ・販売元:東宝 ・価格:¥3,990(税込) ©2008「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」製作委員会 |