今年の夏は節電が呼びかけられる一方で、気温が高い日が長く続いており、心身ともに疲れを感じている人も多いかもしれない。旅行も節電対策のひとつだといわれているが、例えば休日を広々とした自然の中で過ごし、心と体を解放してみてはいかがだろう。映画『ノルウェイの森』に何度か出てくる広い草原はトラン・アン・ユン監督をして「官能的」と言わしめた場所で、作品中でも季節ごとにさまざまな表情を見せている。。
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まだ学生運動が活発だった時代。高校生の頃に親友・キズキを失ったワタナベは、故郷を出て東京の大学に進学する。ある日、キズキの恋人だった直子と偶然再会。2人はたびたび会うようになるが、そんな中、直子が心を病んで入院してしまう。その後、ワタナベは京都の療養所に移った彼女の元を訪ねるようになっていくが…。主人公のワタナベ役は松山ケンイチ、直子を菊地凛子が演じており、作品はヴェネチア国際映画祭をはじめとする、海外の映画祭でも上映された。
映画の中で、療養所にいる直子とワタナベが互いの心を交わす場所として登場するのが、兵庫県神河町の砥峰高原だ。直子がワタナベにキズキとの関係を告白するシーンでは緑が美しい夏の様子が、ワタナベが直子にこれからのことを語る場面では、一面に広がった銀世界が映し出されている。標高約900メートルの砥峰高原は夏の間は涼しく快適で、街の暑さに疲れた体にはとてもうれしい。また、ハイキングコースが整備されているので、自然のすばらしさを改めて感じながら散策することができる。 |
さらに秋になると、砥峰高原は西日本有数のススキの草原になる。映画では、直子が秋の療養所での日々を書いた手紙のシーンでその様子が出てくるが、約90ヘクタールにも及ぶススキの草原は是非自分の目で確かめたいもの。今年も9月には「観月会」、そして10月には「すすきまつり」が予定されている。ちょうど見頃のススキと中秋の名月や、ステージで行われるイベントが楽しめるということだ。
四季折々の楽しみ方ができる砥峰高原。広い自然の中で映画の登場人物たちに思いを馳せながら、心と体をリフレッシュし、明日へのエネルギーを養おう。
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監督:トラン・アン・ユン 36言語に翻訳されている村上春樹の大ベストセラー小説『ノルウェイの森』が、出版から20年以上の時を経て映画化。その独創性豊かな世界観に挑戦するのは『夏至』『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』など叙情溢れる映像に定評のあるトラン・アン・ユン監督。出演は『デスノート』シリーズ、『カムイ外伝』の若手実力派ナンバーワン俳優・松山ケンイチ、『BABEL』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた菊地凛子。その他、水原希子、高良健吾、玉山鉄二、霧島れいかなど、現在最も注目される若手俳優たちが集結。主題歌は、ビートルズの名曲「ノルウェイの森」。 高校時代の唯一の親友、キズキを突然の自殺で失ったワタナベ(松山ケンイチ)は、悲しみを胸に大学進学のために東京で新しい生活を始める。ある時ワタナベは、キズキの恋人だった直子(菊地凛子)と偶然再会する。ふたりは大切なものを喪った者同士、少しずつ付き合いを深めていく。しかし、ワタナベと会う度に直子の持つキズキへの喪失感は深くなっていった。20歳になった直子は心の病で京都の療養所に入院することになる。そんな時ワタナベは大学で、春を迎えて世界に飛び出したばかりの小動物のように瑞々しい女の子・緑(水原希子)と出会う…。 |
『ノルウェイの森 DVD 【スペシャル・エディション2枚組】』
・発売日:発売中・発売元:アスミック・エース、フジテレビジョン ・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント ・価格:¥3,990(税込) ©2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン |