祭りには豊作や地域の安全など、さまざまな意味がこめられている。映画『おにいちゃんのハナビ』には、新潟県小千谷市で江戸時代から続く「片貝まつり」が登場。片貝まつりでは、地元の浅原神社への奉納としてたくさんの花火が上げられるが、それぞれに成人や還暦のお祝い、先祖供養など奉納する人々の願いが込められている。 半年間の入院生活を終えて自宅に戻った、高校生の華。ところが、その間に兄の太郎は引きこもりになっていた。華は以前の兄に戻ってほしい一心で、無理矢理外に連れ出す。そしてアルバイトを始めさせ、さらには片貝まつりの「成人会」にも入れようとする。「成人会」のメンバーは中学時代、太郎と同学年だった人々。翌年の成人を祝って花火を上げる準備を進めていたが、中学の途中で転入し、新潟市の高校に進んだ太郎にはなじみのない顔ぶれだった。それでも妹の後押しを受け、少しずつ心を開いていく太郎だったが…。 華を谷村美月、太郎を高良健吾が演じ、谷村は役作りで坊主頭に挑戦した。片貝まつりのシーンは、実際に祭りが行われる浅原神社周辺で撮影された。祭りは毎年9月9日・10日に行われており、2日間で約20万人の人々が訪れる。また、花火の奉納も今では地元だけでなく、全国各地からあり、打ち上げられる前にそれぞれの花火にこめられたコメントが読み上げられる。興味のある人は、今年の片貝まつりに向けて準備しておくといいだろう。 |
また小千谷市内では、2月下旬に「おぢや風船一揆」というイベントがある。こちらは日本を代表する熱気球の大会「日本海カップ・クロスカントリー選手権」を兼ねたもので、今年は25日と26日に開催。現在は約40機の気球が参加しており、白い雪の上に色とりどりの熱気球が浮かぶ姿は見事だ。また、競技が行われる西中会場から少し離れた平沢会場では、熱気球の試乗体験や雪像コンテストなどを実施。25日の夜には、気球の上空に花火が打ち上げられる、グローバルーンフェスティバルもある。 |
小千谷市では、春になると「牛の角突き」が始まり、夏には「おぢやまつり」がある。四季折々にさまざまな姿を見せる街の様子を楽しみに行ってみよう。 |
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監督:国本雅広 新潟県小千谷市で行われる、400年の歴史をもつといわれる"片貝まつり"をモチーフに、白血病と闘いながら年に一度の花火に思いを託す少女とその兄の絆を、実話を基に映画化。数多くのTVドラマを演出し、本作が初の長編映画作品となる国本雅広が監督を務める。出演は『ボックス!』の高良健吾、谷村美月、『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』の宮崎美子、『BOX 袴田事件 命とは』の大杉漣など。クライマックスの花火大会のシーンは、花火=作品をプロデュースした者たちのそれぞれの"想い"が明らかとなり感動を呼ぶ。 新潟の片貝まつりで花火が打ち上げられる9月9日。高校生の華(谷村美月)が半年の入院生活を終えて自宅に戻ると、兄の太郎(高良健吾)が引きこもりになっていた。頭が良くて優しい自慢の兄は、今や妹にさえ背を向けて、2階の自室に閉じこもるようになっていたのだ。両親はなすすべもなくただ見守っているだけだったが、華は昔の兄を取り戻すべく、乱暴なまでの勢いで兄を外へ連れ出そうとする。一緒に街へ買い物に出かけ、アルバイトを見つけ、ついには片貝まつりの成人会に兄を参加させようと集会所に乗り込む華。そんな妹の健気な後押しに勇気付けられた太郎は、新聞配達員として働き始め、成人会にも一人で出かけるようになり、次第に心を開いてゆく。しかし、冬も近づいたそんなある日、華が入院してしまう…。 |
『おにいちゃんのハナビ』
・発売日:発売中・発売元・販売元:バンダイビジュアル ・価格:¥3,990 (税込) ©2010「おにいちゃんのハナビ」製作委員会 |