いつの時代も話題になる「都市伝説」。亡くなったはずの有名人が生きているとか、人気漫画に秘められた事実など、どれもよくできた話で、真偽は別にしても思わず引き込まれてしまう。映画『プリンセストヨトミ』は、大阪に長く語り継がれる秘密が存在していたというストーリー。奇想天外な展開だが、こちらも都市伝説同様、観る人を引き込む作品だ。 |
東京から大阪へとやってきた、会計検査院の松平とその部下たち。彼らの目的は、国の予算が不正使用されていないかをチェックすることだった。その調査対象のひとつが財団法人大阪城趾整備機構(OJO)。調査は滞りなく終わったが、昼食の最中、松平が携帯電話を忘れてきたことに気づく。そこでOJOに戻ってみると、先ほどまでいた職員たちが1人もいない。しかも電話は不通で、机の引き出しは空っぽだった。不審に思った松平はOJOを調べ始めるが…。原作は万城目学の同名小説。松平役は堤真一、部下を岡田将生と綾瀬はるかが演じている。 |
この映画の撮影は大阪市で行われた。街のシンボルともいえる大阪城も作品の中で何度か登場し、ストーリーの重要な場面では真っ赤に染まった様子が映し出される。大阪城は豊臣秀吉が築城し、豊臣家滅亡後に徳川家が再建工事を行った。現在は天守閣が歴史博物館になっており、常設展示のほか、さまざまなテーマに合わせた特別展示も開催されている。コンサート会場として有名な大阪城ホールや、市民や訪れた観光客の憩いの場・大阪城公園もあり、大阪に来たなら訪れたい場所のひとつだ。 |
また、OJOの帰りに昼食を取ったお好み焼きの店「太閤」があるとされるのが、空堀商店街。大阪市内で唯一の高台・上町台地を横断するように作られているため、商店街の中に坂道が存在する格好になっている。地名の由来は豊臣秀吉が築いた堀のうち、この界隈のものは水のない空の堀だったことから。長い歴史を重ねてきた商店街は、現在では若いオーナーがギャラリーやアトリエ、個性豊かな飲食店を営み、注目のエリアとなっている。
テレビなどで特集されることの多い大阪だが、旅で訪れたときには自分だけの秘密のお気に入りの場所を作ってみるといいだろう。 |
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監督:鈴木雅之 「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」を始め、その奇想天外な設定とストーリーテリングの卓抜さから、一躍人気作家となった万城目学のベストセラー小説を映画化。国家予算が正しく使われているかを調査する会計検査院調査官が、400年もの間、秘密を守り抜いてきた大阪の男たちの謎に迫る歴史ミステリー。物語のカギを握る3人の会計検査院調査官として、堤真一、綾瀬はるか、岡田将生が共演を果たす。また、和久井映見、中井貴一が脇を固めるなど、豪華キャストが集結。メガホンをとるのは『HERO』の鈴木雅之監督。歴史に裏打ちされた綿密な構成に、個性豊かな登場人物が織り成す親子の絆を絡め、スケールアップされた万城目ワールドを描く。 府庁をはじめとする各団体の実地調査のため、大阪を訪れた会計検査院調査官の精鋭3人。一切の妥協を許さない副長・松平元(堤真一)、とぼけた風貌ながら天性の勘で功績をあげる女性調査官・鳥居忠子(綾瀬はるか)、日仏ハーフで容姿端麗な新人エリート調査官・旭ゲーンズブール(岡田将生)。彼らが順調に実地調査を進める中、不審な社団法人「OJO(大阪城趾整備機構)」を見つける。徹底的に調査するも変わった様子はなく、諦めようとしたその時、大阪夏の陣で断絶したはずの豊臣家の末裔が生き延びていたことが発覚する。この秘密をめぐり、大阪のあらゆる営業活動、商業活動、地下鉄などの公共機関すべての機能が完全停止し、大阪に思いもよらぬ事態が巻き起こっていく。 |
『プリンセス トヨトミ DVDスタンダード・エディション』
・発売日:発売中・発売元:フジテレビジョン ・販売元:ポニーキャニオン ・価格:¥3,990 (税込) ©2011 フジテレビジョン 関西テレビ放送 東宝 |