学生時代の思い出はどこか甘く、そして切ない。部活に熱中したり、友達とつるんだり、誰かに恋心を抱いたり…。『桐島、部活やめるってよ』は、そんな高校生たちの青春群像劇である。 高校2年の2学期、学校一の人気者でバレー部のキャプテン、桐島が突然退部をする。それと同時に学校も欠席が続いていた。いつも一緒にいた仲間たちや恋人の梨紗は彼を心配し、ほかの生徒たちもどこか動揺している。そんな騒ぎをよそに、映画部の前田は自分が書いた脚本で新作を撮る準備を進める。クラスでは地味な存在だが、映画に対する思いは人一倍。今度の作品はゾンビものだった…。監督は『パーマネント野ばら』の吉田大八、出演者には神木隆之介、橋本愛、東出昌大、松岡茉優、山本美月ら、今、大活躍の若手俳優たちが顔をそろえている。 |
この映画の舞台の中心となったのが高知市。桐島の親友・宏樹が乗っていたバスに梨紗が飛び乗るシーンは、はりまや橋近くのバス停で撮影された。はりまや橋と言えば、「よさこい節」にも歌われた場所で、かつては豪商の播磨屋と柩屋が互いの往来のためにかけた簡素な木造の橋だった。その後、何度かの架け替えを経て、1993年、江戸時代のはりまや橋のイメージをもとに現在の形に。橋の東側にはからくり時計もあり、1時間に1度、よさこい節のメロディーとともによさこいの踊り子、桂浜などが現れる。 |
また、野球部のキャプテンの宏樹が黙々と素振りをする姿を見かけるのが城西公園。この周辺には地元の歴史を知る上で重要な場所が数多くある。まずは隣接している高知城。400年余りの歴史を有し、日本で唯一、本丸の建築群がすべて現存している。また、石垣は雨の多さを考慮した頑丈なもので、城を守る上でも優れた作りである。そして天守からは広い敷地内のほか、高知市内のパノラマビューを堪能できる。さらに城の周辺には坂本龍馬や藩主である山内家に関する記念館なども数多く存在し、見どころ満載だ。 |
若かったからできたこと、今ならもう少し考えられたこと…青春時代には後悔や恥ずかしさもあるだろう。そんな時代を思い起こし、若き日の先人の歴史に触れる旅もいいかもしれない。 |
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監督:吉田大八 第22回小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウの同名人気小説を原作に、『パーマネント野ばら』の吉田大八監督が映画化。学校内で起こったある事件をめぐり、さまざまに変化していく高校生たちの様子を描いた青春群像劇。クラスの中では目立たない存在だが事件をきっかけに思わぬ行動に出る主人公を神木隆之介が演じる。その他、『告白』の橋本愛、『旅の贈りもの 明日へ』の清水くるみ、『ポテチ』の松岡茉優をはじめ、テレビドラマで活躍中の東出昌大や山本美月などフレッシュな俳優陣が集結した。 ありふれた時間が校舎に流れる「金曜日」の放課後、バレーボール部キャプテンで学校のスターである桐島が退部するというニュースが校内を駆け巡った。彼女でさえも連絡がとれず、退部の理由は誰にも知らされぬまま、桐島に近いバレーボール部員たちをはじめ、ありとあらゆる生徒に波紋は広がり、そして、それをきっかけにあらゆる部活やクラスの人間関係が静かに変化していく。校内の人間関係に緊張感が張りつめる中、桐島に一番遠い存在だった映画部に所属する前田涼也(神木隆之介)が動きだし、物語は思わぬ方向へ展開していく…。 |
『桐島、部活やめるってよ』
・発売日:発売中・発売・販売元:バップ ・価格:¥3,500+税 © 2012「桐島」映画部 © 朝井リョウ/集英社 |