夏を迎え、水辺が恋しい時期になってきた。今年は、自然のままの姿を残す川で釣りをするのはどうだろう。映画『釣りキチ三平』は漫画家・矢口高雄が故郷のある秋田を舞台に描いた漫画を、滝田洋二郎監督が実写化した作品である。 |
三平は祖父・一平とともに暮らす小学生。釣りが大好きで、夏休みの間もずっと釣りに明け暮れていた。その技術と知識は大人も舌を巻くほど。鮎釣りの大会では、ベテランたちを抑えて優勝を果たした。その様子を見て、三平に声をかけたのがアメリカで活躍するバス釣りのプロ・魚紳。彼は秋田にいるという「夜泣き谷の怪物」と呼ばれる巨大イワナを釣りにやってきたのだった。そこへ三平の姉で、東京で暮らす愛子が帰省。三平を東京に連れていくつもりだった愛子に対し、一平は「三平が『怪物』を釣れなかったら東京へ連れて行け」と言い出す…。主演は子役から現在は大人の俳優へと成長している須賀健太。一平を渡瀬恒彦、愛子を香椎由宇、魚紳を塚本高史が演じている。 |
映画は秋田県内を中心に撮影が行われた。三平が住んでいる場所とされているのは、県の北西部にある五城目町北ノ又集落。豊かな自然の中に、今もかやぶき屋根の家が数多く残されている場所で、難航するロケ地選定の際に原作者の矢口さんがこの地を推薦。まさに監督が思い描いていた通りの場所だったそうだ。築百年以上の三平の家は見学可能。ロケの際の写真も展示してあり、「三平一平」の表札もそのまま残されている。なお、公開期間は毎年4月初旬から11月下旬まで。 |
また、三平たちが巨大イワナを釣りに行く途中、魚紳が愛子の足元を気遣っていた場所にあった岩は「ネコバリ岩」といい、町を東西に流れる馬場目川の上流にある。岩の大きさはなんと6メートル。その上に巨木が根を張り、後ろの地面まで伝わっている。ちなみに、馬場目川では実際に釣りを楽しむことができ、7〜9月はアユ、そして3〜9月はイワナがシーズン。また、毎年4月には自然環境の保護・啓蒙を目的とした「みちのく渓流釣り大会in馬場目川」が行われている。 日本の原風景が残る、秋田・五城目町北ノ又集落。ここならすべてを忘れて自然に浸ることができそうだ。 |
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監督:滝田洋二郎 1973年から10年間「週刊少年マガジン」の看板作品として連載され、釣りブームの火付け役となった同名人気コミックの実写映画版。累計販売部数は4000万部を超える人気作品の実写映画化のメガホンをとったのは、映画『おくりびと』が第81回アカデミー賞(R)外国語映画賞を受賞した滝田洋二郎監督。出演は、主人公の三平役に、原作者から「イメージにぴったり」と絶賛を受けた須賀健太。また、三平の釣りの師匠であり、祖父である一平役には名優・渡瀬恒彦、アメリカで釣りのプロとして活躍する鮎川魚紳役に塚本高史など、最高のキャストが揃い、原作の世界を見事に体現した。 釣り名人として評判の高い一平じいさん(渡瀬恒彦)と暮らす明るい少年・三平(須賀健太)。祖父の指導と、生まれながらの素質により、天才的な釣り名人として成長している彼は、夏休みに入っても幼なじみのゆりっぺ(土屋太鳳)と釣り三昧の日々。そんな三平に声をかけてきたのは、アメリカで釣りのプロとして活躍している鮎川魚紳(塚本高史)だった。三平は魚紳から「夜泣き谷の怪物」の話を聞き、がぜん釣り上げようと燃える。魚紳を含めた一同は「伝説の楽園」である夜泣き谷へ行こうとするが、その時、東京から三平の姉・愛子(香椎由宇)が現れ…。果たして、伝説の巨大魚は本当に存在するのだろうか? そして三平は、その魚を釣り上げることができるだろうか? |
『釣りキチ三平(本編ディスク+特典ディスク/2枚組)』
・発売日:発売中・発売元:バップ ・販売元:東映ビデオ ・価格:¥4,800+税 © 2009「釣りキチ三平」製作委員会 |