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【今月の映画】少年H
「日本の原風景」で撮影された、自然の良さを見直す作品
どんな人にも子供の頃があった。しかし、その時代が必ずしも平和とは限らない。『少年H』は、第二次世界大戦が始まろうとする時代から、戦中、そして戦後と変わりゆく日本の姿を「H」こと妹尾肇の目を通して描いている。
 
妹尾家は洋服の仕立職人である父とクリスチャンの母、肇、そして妹の4人家族。神戸に住んでいることから、父には外国人のお得意様も多かった。しかし、戦争が始まろうとする不穏な時代。外国人との付き合いがあり、日曜礼拝にも行く妹尾家は偏見の目で見られることもあった。そんな時、父は肇に周りに流されるのではなく、物事は自分で判断するよう教えていた。その父が、ある日警察にスパイ容疑で連行されてしまう…。原作は舞台美術やグラフィックデザイナー、またエッセイスト、小説家としても活躍する妹尾河童の少年時代を描いた同名小説。水谷豊、伊藤蘭という本物の夫婦が夫婦役を演じたことも話題になった。

この映画は兵庫県内を中心に行われた。ドイツ人のオッペンハイマーさんの住居として使われたのが、国の重要文化財にも指定されている「萌黄の館」。アメリカ総領事の邸宅として、1903年に建設された。2つの異なる形の張り出し窓を始め、アラベスク風の模様が施された階段や重厚なマントルピースなど、贅沢な趣向が随所に施されている。1980年に国の重要文化財に指定され、1987年に外壁を建築当時の淡いグリーンに復元。2階のベランダからは、神戸港まで見渡すことができる。
また、教会のシーンで使われたのがニッケ社宅倶楽部。加古川市にあるこの建物は、明治末期から大正にかけて建てられた2棟の木造洋館。現存する加古川最古の異人館である。もともと欧米から招いた外国人技術者の居住施設で、当時の姿をそのまま残している。外国人技術者たちが去った後は社宅の公会堂として使用され、今も使われている。なお、この一帯は当時の社宅街の街並みが残っており、当時の様子をうかがい知ることができる。
街にはそれぞれの歴史があり、楽しいことばかりでなく、苦しくつらい時代も見てきた。そんなふうに考えて街を散策すると、いつもとは違う思いを抱くかもしれない。
ロケ地兵庫県の魅力

兵庫県は作品にも出てきた旧外国人居留地が有名。明治32年まで外国人が統治した場所で、今は観光スポットになっている。建物はカフェやレストラン、ショップやオフィスビルなどとして使用されているものも多い。

●住所:兵庫県神戸市中央区下山手通5-10-1 兵庫県庁1号館7階(ひょうごツーリズムガイド)
●TEL:078-361-7661(ひょうごツーリズムガイド)
●URL:http://www.hyogo-tourism.jp/(ひょうごツーリズムガイド)
●アクセス:
 電車:
  JR東海道新幹線・東京駅→JR 新神戸駅
 車:
  阪神高速3号神戸線 京橋ICから神戸市内へ
 飛行機:
  羽田・福岡空港→関西国際空港または大阪国際空港
すべてを失ったあの夏、我が家の未来が始まった。
Staff&Cast

監督:降旗康男
出演:水谷 豊/伊藤 蘭/吉岡竜輝/花田優里音/小栗 旬/早乙女太一/原田泰造/佐々木蔵之介/國村 隼/岸部一徳 他

Introduction

1997年に妹尾河童初の自伝的長編小説として刊行されたベストセラー小説の実写映画化。大人気シリーズ『相棒』の水谷豊と、その妻である伊藤蘭が初の“夫婦役”で、28年ぶりの共演を果たした。メガホンを取るのは、映画『あなたへ』の降旗康男監督。美しく異国情緒あふれる神戸の街が戦争で荒廃していく中、少年H一家が時流に流されること無く、強くたくましく生き抜き、街とともに復興していく姿を、時にユーモラスに時にハードに描いている。Hと呼ばれる主人公の少年を演じたのは、第87回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞などを受賞した吉岡竜輝。

Story

昭和初期の神戸。洋服仕立て職人の父・盛夫(水谷豊)、母・敏子(伊藤蘭)のもとに生まれた肇[はじめ]は、好奇心が強く「なんで?」を連発、「そんなのおかしい」と言わずにいられない正義感の強い少年だった。イニシャルの「H」を大きく編みこんだセーターを着ていた肇少年は、友達から「エッチ」というあだ名で呼ばれるようになる。やがてヨーロッパで第二次世界大戦がはじまり、軍事統制が厳しくなりおかしいことを「おかしい」と言えない日々の中、父の盛夫は周囲に翻弄されることなくHに、しっかりと現実を見ることを教えていく。そして昭和20年3月、神戸を大空襲が襲う…。

『少年H DVD(特典DVD付2枚組)』
・発売日:発売中
・発売元:テレビ朝日
・販売元:東宝
・価格:¥4,700+税
© 2013「少年H」製作委員会