近年は「家族」といってもいろいろな形がある。しかし、皆それぞれに家族だからこその楽しさや悩みを経験し、分かち合っているようだ。『海街diary』は三姉妹と腹違いの妹という4人の家族の日々を描き、2015年のカンヌ国際映画祭に出品された作品である。 |
鎌倉の古い一軒家に住む幸、佳乃、千佳の三姉妹。彼女たちのもとに、不倫の末、15年前に家を出ていった父親の訃報が届く。亡くなった当時、父親は不倫相手と死別し、ほかの人と結婚していた。葬儀の日、三姉妹は父と不倫相手の間に生まれたすずと出会う。血のつながりがない義母と暮らすことになるすずに、姉妹は鎌倉で一緒に暮らすことを提案。こうして4人での生活が始まる…。監督は『そして父になる』の是枝裕和。幸を綾瀬はるか、佳乃を長澤まさみ、千佳を夏帆、すずは広瀬すずが演じている。 |
撮影は栃木県日光市足尾町でも行われた。設定では、すずが住んでいた場所は山形だったが、三姉妹が降り立った駅は、わたらせ渓谷鉄道わたらせ渓谷線の足尾駅。わたらせ渓谷線は群馬県の桐生駅から栃木県の間藤駅をつないでいる。駅舎は大正時代に建てられ、2009年には駅本屋やプラットホームが国の登録有形文化財に登録された。駅の前の赤い円筒形が建物と相まってレトロな雰囲気を醸し出している。なお、わたらせ渓谷線は土日・祝日を中心にトロッコ列車も走っており、車窓からの景色を楽しみながら乗ってみたい。 |
また、すずが亡き父と住んでいた家に案内する山道は、庚申ダム近くの山道で撮影。映画にダムは出てこないが、ここは自然に囲まれており、幸たちもそんな場所を上がっていったことが容易に想像できる。庚申ダムは規模があまり大きくないが、ダムファンたちがたびたび見学に訪れている。ダムのことがよく分かる「ダムカード」も配布。年末年始を除く、9時〜15時までが配布時間となっているので、時間に注意して行こう。 新たな家族が加わる場面のロケ地。三姉妹のような豊かな心でのんびり過ごしたい場所だ。 |
|
|||||||||
監督:是枝裕和 四姉妹が織り成す斬新でリアルな絆を描き、性別、世代を超えて熱狂的な人気を集めるコミック『海街diary』。この作品をどうしても自分の手で、と熱望し映画化に挑んだのは、2013年カンヌ国際映画祭審査員賞をはじめ数々の賞に輝いた是枝裕和監督が映画化。そんな是枝監督のもとに、今を咲き誇る女優たちが集まった。長女に綾瀬はるか、次女に長澤まさみ、三女に夏帆、異母妹の四女に広瀬すず。さらに、大竹しのぶ、堤真一、加瀬亮、風吹ジュン、リリー・フランキー、樹木希林と、日本を代表する豪華俳優陣による贅沢な共演が実現した。海の見える街を舞台にそれぞれの想いを抱えながら、四姉妹が絆を紡いでいく、深く心に響く家族の物語を描いたヒューマンドラマ。 まぶしい光に包まれた夏の朝、三姉妹に届いた父の訃報。15年前、父は女と出て行き、その後、母も再婚して家を去った。三姉妹を育てた祖母もとうに亡くなり、広くて古い鎌倉の家には、彼女たちだけが残った。両親へのわだかまりを抱えた、しっかり者の長女の幸(綾瀬はるか)、そんな姉と何かとぶつかる次女の佳乃(長澤まさみ)、マイペースな三女の千佳(夏帆)。3人は父の葬儀で、腹違いの妹・すず(広瀬すず)と出会う。幸は「いっしょに暮らさない?」とすずを誘い、4人で新生活を始めることに。しかし、祖母の七回忌に音信不通だった母が現れ、一見、穏やかだった四姉妹の日常に、秘められていた心のトゲが見え始める―。 |
||
『海街diary』
・発売日:発売中・発売元:フジテレビジョン ・販売元:ポニーキャニオン ・価格:¥3,800円+税 © 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン 小学館 東宝 ギャガ |