今年はオリンピックイヤー。4年後の開催地が東京ということもあってか、いつになく盛り上がっているような気がする。東京が最初のオリンピック会場となったのは1964年。『ALWAYS 三丁目の夕日'64』は、その活気ある年が舞台の作品である。 |
東京・夕日町三丁目に住む人々は、オリンピックに向けて街が近代化していくなか、いつもと変わらぬ生活を送っていた。小説家の茶川とヒロミは晴れて結婚。一方、自動車修理工場の鈴木オートでは、従業員の六子が医師の菊池に恋心を寄せ、デートを重ねるまでに。しかし菊池には悪いうわさがあった…。シリーズ3作目となるこの映画、茶川は吉岡秀隆、ヒロミを小雪、六子を堀北真希が演じている。 |
このシリーズで登場する町並みのロケは、岡山市の東にある「五福通り」こと中福商店街で撮影された。五福通りには、今では珍しい「看板建築」と呼ばれる商家が残っている。看板建築とは中の建物は江戸時代や明治時代のものだが、外側だけを洋館のように囲った建物。自由にデザインができる看板のような、平坦な壁を利用したことから看板建築と呼ばれたという。そうした建物が並ぶ様子が、昔懐かしい雰囲気を醸し出している。 |
その五福通りから少し南に行くと、西大寺観音院という寺がある。西大寺は2月の「会陽」が有名。奈良時代に始まった"奇祭"として知られる裸祭である。ほかにも毎月のようにさまざまな行事が行われており、8月は第三土曜日に水祭り(盂蘭盆会)が実施される。境内には露店が出て、盆踊りが催されるにぎやかな祭りだ。また吉井川の支流で灯篭流しも行われる。古い建築物が残る西大寺。ゆっくり拝観もしてみたい。 2020年のオリンピックを目指し、1964年とはまた違った形で変わりゆく東京。せわしない場所を離れ、岡山の昔ながらの風景を眺めて、少し息抜きをしたいものだ。 |
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監督:山崎 貴 2005年11月に公開され、日本アカデミー賞をはじめ数多くの賞を獲得した『ALWAYS 三丁目の夕日』。その2年後には続編の『ALWAYS 続・三丁目の夕日』が公開され、前作を上回る大ヒットを記録した。そして5年後、さらなる続編を望む多くの声に応えるべく、三丁目の住人が3D映画となって帰ってきた。監督第2作目である『リターナー Returner』で、ハリウッドも注目するVFXを見せつけた山崎貴が、本作でも監督兼VFXを担当。これまで綿密な時代考証を基に、巨大なロケセットと最新のVFX技術などを融合させて昭和30年代の風景をよみがえらせてきた同シリーズだが、今回は今までのVFX表現に加え3D化もするという、世界的にもあまり例を見ない試みとなった。主演は前2作に続き吉岡秀隆が務める。 昭和39年、日本は東京オリンピックの開催を前に国全体が活気づいていた。そんななかでも、いつもと変わらぬ生活を送っていた夕日町三丁目の住民たち。晴れて夫婦となった茶川(吉岡秀隆)とヒロミ(小雪)、そして高校1年生になった淳之介(須賀健太)も仲良く3人で暮らしていた。ところが、茶川は「冒険少年ブック」で連載を続けるも、新人作家に人気を奪われてしまう。そんな茶川を支えるヒロミのお腹には新しい命が宿っていた。一方、茶川家の向かいで自動車修理工場・鈴木オートを営む鈴木家に、集団就職でやってきた星野六子(堀北真希)は、医者である菊池孝太郎(森山未來)の車を修理したことをきっかけに、デートをすることになる。 |
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『ALWAYS 三丁目の夕日'64』
・発売日:DVD通常版発売中・発売元:小学館 ・販売元:バップ ・価格:¥3,800円+税 © 2012「ALWAYS 三丁目の夕日'64」製作委員会 |