最近の子供たちにとって“妖怪”とは、アニメに出てくるかわいらしいキャラクターのような存在なのかもしれない。しかし、その親以上の世代にとって妖怪は、昔話に出てくる怖い存在というイメージが強かった。映画『妖怪大戦争』には、まさしく昔ながらの妖怪たちが登場。弱虫といわれていた少年と力を合わせ、魔人と戦うストーリーである。 |
東京から鳥取に転校した10歳の“都会っ子”少年タダシ。新しいクラスにも街にもなじめないタダシだが、お祭りで“この世が危機に陥ったときに人々を救う”といわれている「麒麟送子」に選ばれる。麒麟送子には、大天狗(てんぐ)の山の洞窟に“伝説の聖剣”を取りに行くという使命があった。一度は怖くて引き返したタダシだったが、祖父の声に呼ばれて洞窟へ。すると、そこにいたのは見たこともない妖怪たちだった! 監督は三池崇史、タダシを神木隆之介が演じ、妖怪役には近藤正臣、阿部サダヲ、遠藤憲一などそうそうたるメンバーが特殊メイクで挑んでいる。 |
撮影は、「ゲゲゲの鬼太郎」の作者・水木しげるの故郷でもある鳥取などで行われた。タダシが妖怪のなかで唯一、友達になったかわいらしい猫のような姿の“スネコスリ”と共に歩いた場所は、「水木しげるロード」だ。JR境港駅から水木しげる記念館まで続く約800メートルの通り沿いには、153体もの妖怪のブロンズ像が訪れる人を出迎えてくれる。また途中には、映画にも出てくる「妖怪神社」や、鬼太郎、妖怪をモチーフにしたグッズを扱う店もあり、『妖怪大戦争』の世界に楽しく浸れるだろう。 |
そして、通りの最後にあるのが「水木しげる記念館」だ。言うまでもなく、ここには水木しげるに関するさまざまな資料などが展示されている。作品はもちろんのこと、NHKの朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」でおなじみの水木家の食卓セットも再現。実際に使っていた家具も展示されており、水木しげるという人物をより身近に感じられるかもしれない。 童心に帰り、“見た目は怖いが心優しい妖怪たち”と過ごす休日を計画するのもよいだろう。小さな子供連れの家庭なら、家族旅行としても楽しめそうだ。 |
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監督:三池崇史 水木しげる、京極夏彦、荒俣宏、宮部みゆきなど、そうそうたるメンバーで構成されたプロデュースチーム「怪」が手掛けた妖怪アドベンチャーで、1968年制作の同名映画を大胆にアレンジ。監督は『着信アリ』や『クローズZERO』などヒット作多数の三池崇史が務める。主人公の少年タダシを演じるのは、まだあどけなさの残る少年時代の神木隆之介。根岸季衣の「砂かけばばあ」、竹中直人の「油すまし」、岡村隆史の「小豆洗い」など、日本古来の妖怪を人気・実力共に兼ね備えた豪華俳優陣が演じる。 両親が離婚し、鳥取にある母親の実家で暮らす“都会っ子”の少年タダシ(神木隆之介)。同級生には「泣き虫タダシ」とからかわれる毎日だが、夏休み前のお祭りで“麒麟送子”に選ばれる。大天狗(てんぐ)が住むといわれる山に登っていくタダシだったが、やはり怖くなって途中で引き返し、ちょうどやってきたバスに飛び乗ると、そこでけがをした妖怪・スネコスリと出会い、家に連れて帰ることに。数日後、祖父に呼び出されたタダシは、恐ろしい思いをした山へ再び登ることにするが、突然現れたアギという妖怪によってスネコスリはさらわれてしまう。そこでタダシは、怪人・加藤保憲が妖怪と機械を融合させた怪物を作り出し、世界を支配しようとしていることを知る。日本古来の妖怪たちと一緒にその陰謀を阻止するため戦うことになるタダシだが―。 |
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『妖怪大戦争【DTSスペシャル・エディション】』
・発売日:発売中・発売・販売元:株式会社KADOKAWA ・価格:¥4,700円+税 © 2005「妖怪大戦争」製作委員会 |