若いころ、誰もが抱えたことがあるであろう何らかの「思い」。それは本来、他人が理解するには時間がかかるものなのかもしれない。『ディストラクション・ベイビーズ』は、けんかに明け暮れる若者と彼を取り巻く人々の姿を描いた群像劇だ。 |
愛媛・松山市の海沿いの町で暮らす泰良と弟の将太。早くに両親を亡くした2人だったが、おとなしい将太に対し、泰良は相手構わずけんかする毎日を送っていた。そんなある日、弟を置いて、突然、町から姿を消した泰良。今度は場所を繁華街に移し、強そうな相手を見つけてはけんかを仕掛けていたのだ。その様子に興味を持ったのが、地元の高校生・裕也。そして裕也は泰良と行動を共にするようになる…。主演は柳楽優弥、弟の将太を村上虹郎、裕也を菅田将暉が演じるなど、今注目の若手俳優たちが顔をそろえた作品となっている。 |
繁華街のシーンで登場する「大街道」は、市内中心部にある商店街。映画館やデパート、飲食店などが立ち並ぶ幅15メートルの広いアーケードは歩行者専用道路となっている。また自動開閉式の屋根も設置されていることから、昔懐かしい遊びが体験できるイベントなども開催。夏には特設ステージや屋台が登場する「土曜夜市」も行われている。 |
この大街道から伊予鉄道市内電車に乗って10分ほどの所にあるのが、観光スポットや宿泊地としてもよく知られている道後温泉。道後温泉本館では2014年、改築120周年を記念した芸術祭「道後オンセナート2014」が実施され、以降もアートイベントが続けられている。これに伴い、町全体にアートが根付き始めており、新たな楽しみ方ができるようになった。日本最古の温泉に入って体を癒やし、最先端のアートに触れて心を満たす…。ほかでは味わえない感覚を体験したいものだ。 自分の思いにまっすぐであるが故に、時に痛みすら感じさせる『ディストラクション・ベイビーズ』。松山にはそれを受け止める魅力が備わっているのだろう。 |
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監督:真利子哲也 監督・脚本を務めるのは、東京藝術大学大学院の修了作品『イエローキッド』が異例のロードショー公開された真利子哲也。新鋭ながら国内外で高い評価を得る鬼才の、満を持したメジャーデビュー作となる。共同脚本に、『桐島、部活やめるってよ』の喜安浩平を迎え、愛媛県松山市を舞台にオールロケーションで撮影された。狂気と表裏一体のピュアネスをたたえるカリスマ的主人公・芦原泰良を演じるのは、『誰も知らない』でカンヌ国際映画祭最優秀男優賞を日本史上最年少で受賞した柳楽優弥。そんな泰良の相棒となり事件を加速させていく高校生・裕也には、菅田将暉。泰良たちの危険な遊びに巻き込まれる少女・那奈には小松菜奈と、実力派若手俳優陣が脇を固める。 愛媛県松山市西部の小さな港町。海沿いの造船所のプレハブ小屋に、2人きりで暮らす芦原泰良(柳楽優弥)と弟の将太(村上虹郎)。日々、けんかに明け暮れていた泰良は、ある日、弟を置いて三津浜から姿を消す。それからしばらく経った松山の中心街。強そうな相手を見つけてはけんかを仕掛け、逆に打ちのめされても食い下がる泰良の姿があった。街の中で野獣のように生きる泰良に興味を持った高校生・北原裕也(菅田将暉)は泰良に声を掛ける。こうして2人の危険な遊びが始まった―。やがて車を強奪した2人は、そこに乗り合わせていたキャバクラで働く少女・那奈(小松菜奈)を無理やり後部座席に押し込み、松山市外へ向かう。彼らの暴力と血にまみれた凶行はインターネットで瞬く間に拡散し、ついには警察も動き出す。 |
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『ディストラクション・ベイビーズ 特別版(2枚組)』
・発売日:発売中・発売元・販売元:松竹 ・価格:¥4,700+税 ©「ディストラクション・ベイビーズ」製作委員会 |