「金なし! 人なし! 時間なし!」。誰もが不可能と思っていた参勤交代を、見事に達成した弱小藩の面々。そんな彼らに、再び“お上”の陰謀が襲い掛かってきた…。2016年公開の映画『超高速参勤交代 リターンズ』は、話題となった前作『超高速参勤交代』の帰路を描いた時代劇コメディーである。映画のモデルとなったのは、実在した湯長谷藩(ゆながやはん)の藩士らで、彼らは現在の福島県いわき市に藩庁を置いていた。現地の伝統技能「じゃんがら念仏踊り」に参勤交代のイメージをかぶせてしまうのは、いささか乱暴な発想だろうか。 |
そんないわき市で500年以上の歴史を持つのが、常磐関船町に位置する「金刀比羅(ことひら)神社」。もともとは海の安全祈願として鎮守してきたが、そこから転じ、豊漁や商売繁盛にもご利益があるとされている。同じ境内には、弓の達人として知られる鈴木吉之丞を祭った「長松神社」や、湯長谷藩の守り神「諏訪神社」もあり、映画ファンならずとも見逃せないスポットだ。 |
また、近くの常磐湯本町まで足を延ばせば、「温泉神社」というユニークな寺社が目に入るだろう。それもそのはず、「いわき湯本温泉郷」は、道後温泉や有馬温泉と肩を並べる日本三大古泉の一つ。(※出典元:延喜式神名帳)今では、海の幸が一緒に楽しめる温泉地として、年間約35万人が訪れるとのこと。無料で利用できる足湯施設や、日帰り入浴が可能な公衆浴場で、旅行の疲れを洗い流すのもよいだろう。さらに温泉といえば、温泉を使用した屋内プールや、フラガールによる本格的なショーなどで人気の「スパリゾートハワイアンズ」も、いわき市が抱える一大観光施設である。水着を着用するスパタイプのほか、江戸時代の湯屋をほうふつさせる「大露天風呂 江戸情話 与市」などが楽しめる。 |
劇中に登場する弱小藩の彼らにも、信念を支える“厚い”信仰と活力の源となる“熱い”温泉はあったようだ。そんな彼らに思いをはせながら、“暑い”夏こそ、神社や温泉からエネルギーをチャージさせてもらってはいかがだろうか。旅路には、常に「リターン」が待っているのだから。 |
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監督:本木克英 幕府から突然の参勤交代を命じられ奮闘する弱小貧乏藩を描いた時代劇コメディー映画『超高速参勤交代』の続編。参勤交代の帰り道である「交代」に出た湯長谷藩一行が、宿敵の画策によってさらなるピンチに陥る姿を描く。前作に引き続き、お人よしだが民に愛される殿様を佐々木蔵之介が演じる。そのほか深田恭子、伊原剛志、西村雅彦、寺脇康文、上地雄輔、知念侑李(Hey! Say! JUMP)、柄本時生、六角精児、近藤公園、陣内孝則、市川猿之助、石橋蓮司ら豪華俳優陣が前作から続投。さらに今作では、古田新太、渡辺裕之、橋本じゅん、中尾明慶、宍戸開、富田靖子など個性派キャストも参戦する。監督は前作に続き、本木克英監督、脚本も再び土橋章宏が担当する。 江戸時代、老中・松平信祝(陣内孝則)の差し金により幕府から突然参勤交代を命じられた磐城国の湯長谷藩。金も人手も時間も無いなか、知恵と工夫でなんとか江戸への参勤を果たすが、故郷へ帰る「交代」までが「参勤交代」。藩主の内藤政醇(佐々木蔵之介)率いる一行は、湯長谷を目指し江戸を出発するが、その道中に湯長谷で一揆が起きたことを耳にする。政醇たちに打ち負かされた信祝が、さらに大きな権力と最強の刺客を手に入れ、湯長谷藩を壊滅させようと逆襲を始めたのだった。一揆を収めるためには、2日以内に藩に帰らなくてはならず、さらに「交代」には大名行列も必要になる。彼らは行きの倍の速さで走り、宿役人の目をくらましながら、命からがら湯長谷にたどり着くが、すでに城は乗っ取られ、田畑は踏み荒らされた後だった―。 |
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『超高速参勤交代 リターンズ』
・発売日:発売中・発売・販売元:松竹 ・価格:¥2,800+税 ©2016「超高速参勤交代 リターンズ」製作委員 |