映画で観た、あの場所に行ってみよう!ストラーダスクリーン名場面ロケ地ガイド
【今月の映画】子ぎつねヘレン
自然を通して、人の営みが感じられる街
家へ連れ帰った子ぎつねの目と耳が不自由であることに気付いた主人公の太一は、自ら母親代わりとなって育てていこうと決意する―。2006年に公開された映画『子ぎつねヘレン』は、随筆家としても知られる獣医師の竹田津実が書いたエッセイ『子ぎつねヘレンがのこしたもの』を原作とした作品。そのロケは、北海道の「網走国定公園」を中心に行われた。
同作の象徴的なシーンといえば、“北海道で一番美しいたんぽぽ畑”と評される能取岬(のとろみさき)のカットだろう。冬は流氷のビュースポットとしても有名だが、今の時季オススメなのは、オホーツク海とつながった珍しい景色が人気の能取湖だ。秋には湖面を真っ赤に染めるアッケシソウの姿を楽しむことができる。一時は園地整備により見る影を潜めそうになったものの、近年になり復活を果たした。
一方、ラストシーンの撮影が行われたのは、斜里郡に位置する「小清水原生花園」。オホーツク海沿いの細長い砂丘に、季節折々の花が咲き誇る名所だが、一番の見頃は6月中旬から7月下旬。10月のこの時季に花を愛でるのであれば、天都山の山頂を訪れてみよう。網走レークビュースキー場の一画が10月下旬まで「フラワーガーデンはな・てんと」に姿を変えており、8月から10月にかけて、約8万株を誇る花のカーペットが出現する。同施設の花々は、自治体や地元企業らのボランティアによって管理されているというから驚きだ。
網走で外せないのが、網走刑務所で実際に使用されていた建物群を移築した「博物館 網走監獄」だろう。一説によると、明治時代、北海道の開拓のために労働力として囚人が集められたそうだ。事実、この近辺の中央道路沿いでは、道路建設中に亡くなった囚人を弔う「鎖塚」が散見される。歴史の中で、人は常に自然を管理・征服しようとしてきた。そして自然を人間に都合のよい“何か”に変えようとしてきた。果たして自然とどう付き合うべきなのか。その答えは、太一とヘレンが知っている。
ロケ地・「北海道・網走市」の魅力
昔から北海道民に親しまれてきた唐揚げ料理「ザンギ」。網走エリアでは、網走産のオホーツクサーモンを用いた「オホーツク網走ザンギ丼」が味わえる。地元食材もセットになったご当地グルメを市内の各飲食店で。

●住所:北海道網走市南3条東4丁目(網走市観光協会)
●TEL:0152-44-5849(網走市観光協会)
●URL:https://www.abakanko.jp/
●アクセス:
 空路/女満別空港から車かバスで約30分
 電車/JR石北本線・札幌駅→網走駅
 車/本州よりフェリー利用、函館港下船後、道央自動車道・道東自動車道・
 十勝オホーツク自動車道を経由、北見東料金所から一般道でさらに約40分
忘れない―。あの春、かけがえのない友達と出会ったことを。
Staff&Cast

監督:河野圭太
出演:大沢たかお 松雪泰子 深澤 嵐
小林涼子 田波涼子 阿部サダヲ
吉田日出子 藤村俊二 他

Introduction

随筆家、写真家、獣医師である竹田津実のベストセラー「子ぎつねヘレンがのこしたもの」を基にしたヒューマンドラマ。北海道の大地を舞台に、目と耳が不自由な子ぎつねと、東京から引っ越して来た少年の心の交流を描く。主人公の少年・太一を演じるのはテレビドラマ「みんな昔は子供だった」の深澤嵐。北海道の動物診療所で獣医師を務める矢島役を『風に立つライオン』の大沢たかおが演じる。監督は、本作が自身初の劇場公開作品となる河野圭太。

Story

8歳の少年・太一(深澤嵐)は、カメラマンとして世界中を飛び回る母・律子(松雪泰子)に置いていかれ、律子の恋人で北海道に住む矢島(大沢たかお)の元に預けられた。動物診療所の獣医師である矢島は中学生になる娘・美鈴(小林涼子)と2人暮らしをしていたが、引っ越してきたばかりの太一と、不器用な矢島、クールな現代っ子の美鈴は、どこかギクシャクした毎日を送っていた。そんなある日、太一は道端にうずくまる子ぎつねを見つけ、思わず連れ帰ってしまう。子ぎつねの目と耳が不自由であることに気付き、「参ったな…。まるでヘレン・ケラーだ」と心を痛める矢島。そんな矢島の心配をよそに、太一は子ぎつねを“ヘレン”と名付け、自ら“サリバン先生”として育て始める―。

『あの頃映画 松竹DVDコレクション 子ぎつねヘレン』
・発売日:発売中
・発売・販売元:松竹株式会社
・価格:¥2,800+税
©2006「子ぎつねへレン」フィルムパートナーズ


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