夫の暴力から子供たちを守るため、夫を殺した妻(田中裕子)。「あんたたちは何にだってなれる」という言葉と共に自首した母と、事件によって人生を大きく狂わされた3兄妹の15年ぶりの再会を描いた2019年公開の『ひとよ』は、桑原裕子の同名舞台劇を『孤狼の血』の白石和彌監督が映画化した濃密な人間ドラマだ。茨城県では彼らの家となったタクシー会社をはじめ多くの撮影が行われたが、今回は劇中に登場した大洗町のおすすめスポットを巡ってみよう。 |
北関東自動車道も開通し、首都圏からのアクセスもぐっと良好になった茨城県。海沿いのエリアで遊ぶなら、まずおすすめなのが「アクアワールド茨城県大洗水族館」だ。ここはサメの飼育種類数が日本一で、マンボウ専用の水槽も日本一の大きさを誇っている。また、黒潮と親潮がぶつかる大洗沖を再現した「出会いの海の大水槽」では、約80種、2万匹の魚が出迎えてくれる。ダイナミックなイルカとコミカルなアシカの演技が楽しめる「イルカ・アシカオーシャンライブ」はこの水族館の一番人気のショーだ。 |
堂下(佐々木蔵之介)を通じて、家族の感情をぶつけ合うクライマックスのシーンが撮影されたのは、「大洗港第4ふ頭」。この付近は大洗港と北海道・苫小牧を結ぶフェリー「さんふらわあ号」の発着所である「大洗フェリーターミナル」や、高さ60mから360度の眺望を楽しめる「大洗マリンタワー」、めんたいこの老舗「かねふく」の工場見学ができる「かねふく めんたいパーク大洗」など、観光スポットも盛りだくさん。 |
大己貴命(おおなむちのみこと)・小彦名命(すくなひこなのみこと)を祭る「大洗磯前神社」は、平安時代(856年)に創建された由緒ある神社。特に「神磯の鳥居」は、大洗海岸の岩礁に建っており、荒々しい波しぶき越しに鳥居がたたずむ姿は荘厳で美しい。日の出や夕暮れ時には、神々しい景観を求めて多くの参拝客が訪れる。 |
|
|||||||||
監督:白石和彌 女優・劇作家・演出家の顔を持つ桑原裕子主宰の「劇団KAKUTA」が2011年に初演した舞台を、『孤狼の血』の白石和彌監督が映画化。タクシー会社を営む稲村家の3兄妹を、佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優らがそれぞれ演じる。3兄妹の母であり、子供たちを暴力から守るために夫を殺した妻を演じるのは、田中裕子。その他、佐々木蔵之介、音尾琢真、筒井真理子ら、実力派俳優陣が脇を固める。 どしゃぶりの雨降る夜に、タクシー会社を営む稲村家の母・こはる(田中裕子)は、愛した夫をあやめた。それが三兄妹の幸せと信じて。そして、こはるは、15年後の再会を子供たちに誓い、家を去る。時は流れ、現在。次男・雄二(佐藤健)、長男・大樹(鈴木亮平)、長女・園子(松岡茉優)の三兄妹は、事件によって負った心の傷を隠したまま、大人になった。あらがうことのできなかった別れ道から、時間が止まってしまった家族。そんなある日、母・こはるが帰ってくる。再会を果たした彼らがたどり着く先は…。 |
||
『ひとよ』DVD通常版
・発売中・発売・販売元:アミューズソフト ・価格:DVD ¥3,800+税 (C)2019「ひとよ」製作委員会 |