明治時代の幕開けとともに、かつて「伝説の暗殺者」と呼ばれた主人公は一転、大切な人を守るための戦いへ巻き込まれていく―。2012年に公開された映画『るろうに剣心』は、和月伸宏原作の同名コミックスの実写版で、後に続く4部作の皮切りとなった。そのスクリーンには、明治・大正時代の面影を持つ現存の洋館が登場する。鳥取県に位置する「仁風閣(じんぷうかく)」も一例で、台本の上では、敵方悪役の邸宅という設定になっている。 |
仁風閣は1907年、鳥取池田家の第14代当主・池田仲博(なかひろ)侯爵により、池田家の別邸として建築された。後の大正天皇となる皇太子の宿舎としても用いられたため、今なお、一部の部屋には「御座所」「謁見(えっけん)所」といった名称が残っている。見所としては、やはり「支柱のないらせん階段」だろうか。「宮廷建築」と言っても過言ではない荘厳な建物は、昭和時代に入ってから国の重要文化財に指定された。 |
そんな鳥取県に2012年、「まんが王国とっとり」が建国された。その背景には、同県排出の著名な漫画家らが挙げられる。このため、漫画家名や作品名を付した観光名所も少なくない。 こうした県の事業とは別に、民間の施設も盛り上がりを見せている。その一例が、年中無休・出入り自由で20万冊に及ぶ蔵書を楽しめる「米子マンガミュージアム」や、水木しげる氏の出身地である境港市に設立された「水木しげる記念館」だ。 |
物語つながりでいえば、鳥取県は民話の里でもある。『因幡の白うさぎ』や『打吹天女伝説』など、誰もが知る物語の舞台が、なぜかこの地には多い。そして、史跡としての「白兎神社」や実在する地名「白兎」、登山道の整備された「羽衣石山(うえしやま)」として、今なお目に触れることができる。もしかしたら、日本におけるストーリーテリングの原点なのかもしれないこの地で、自分だけの物語を編んでみてはいかがだろうか。 |
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監督:大友啓史 「週刊少年ジャンプ」で連載された和月伸宏の剣客漫画「るろうに剣心 明治剣客浪漫譚」を実写映画化。伝説の「人斬り抜刀斎」と名高い主人公の緋村剣心を演じるのは佐藤健。明治維新以後、殺さずの誓いをたて、決して人を斬ることのできない「逆刃刀」を携えて町から町へ流浪の旅を続ける姿を描く。ヒロイン・神谷薫役には武井咲。その他、蒼井優や江口洋介など実力派俳優陣が集結。監督はNHK大河ドラマ「龍馬伝」や「ハゲタカ」で知られる大友啓史が務める。 今から約140年前、動乱の幕末。最強の暗殺者と恐れられ、<人斬り抜刀斎>と呼ばれた男がいた。神より速く、修羅より強い、維新の志士。一対多数の戦いを得意とし、剣を抜いたら最後、生き残る者はいない。戦いが終わり、明治という新しい時代が訪れ、抜刀斎は姿を消した。「最強」の伝説だけを残して―。あれから10年、いまだ乱れた世に現れた、ひとりの男。斬れない刀=逆刃刀で人を助ける、流浪人・緋村剣心(佐藤健)。もう決して人は殺さない<不殺(ころさず)の誓い>を立てた抜刀斎だった。大切な人たちが平和に暮らせる時代を作るため、いま剣心の真の戦いが始まる。 |
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『るろうに剣心』
・発売中・発売・販売元:アミューズソフト ・価格:BD ¥3,800+税 (C)和月伸宏/集英社 (C)2012「るろうに剣心」製作委員会 |