謎の男・麦(東出昌大)と出会い、一瞬で恋に落ちた朝子(唐田えりか)。しかし麦は突然彼女の前からいなくなってしまう。それから2年後−−。朝子は麦に生き写しの男・亮平と出会う。芥川賞作家・柴崎友香による同名恋愛小説を、『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督が映画化した本作は、同じ顔をした2人の男の間で揺れ動く1人の女の心情を繊細なタッチで紡いでいく。映画では大阪、東京、宮城が舞台となったが、朝子と麦が運命的な出会いを果たしたシーンは、神戸にある「神戸ファッション美術館」で撮影された。 |
海に浮かぶ人工島・六甲アイランドでは、ショッピングモールや公園などスタイリッシュな建物が並ぶ中、ひときわ目を引くのがUFOのような近未来的な建物の「神戸ファッション美術館」だ。ここは日本初のファッションをテーマにした美術館で、常設の「コレクション展」では、18世紀のロココスタイルから現代ファッションまでの服飾資料が展示されている。ちなみに朝子と麦が出会った場所は、館内のギャラリースペース。展示鑑賞のあとは、六甲アイランドのそぞろ歩きを楽しもう。 |
朝子と亮平の距離を縮めたきっかけのひとつが、東日本大震災時のエピソード。ここ神戸にも1995年に起こった阪神・淡路大震災のすさまじさを伝える場所がある。神戸ポートタワーを臨むメリケンパーク内にある「神戸港震災メモリアルパーク」では、被災したメリケン波止場の一部がそのままの状態で保存されており、大きく崩れた岸壁や傾いた街灯が当時の揺れの激しさを伝えている。 |
とある酒造会社に勤める亮平は、日本酒の魅力を海外の客にPRしていたが、神戸の灘五郷(西郷、御影郷、魚崎郷、西宮郷、今津郷)は「日本一の酒どころ」といわれ、日本酒ファンなら一度は訪れたい場所だ。その歴史は古く、室町時代には酒造が始まったという。いくつかの蔵では伝統的な酒造りの工程や貴重な資料などを見学することができる。利き酒も楽しめるので、蔵を巡りながら、お気に入りの1本を探してみよう。 |
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監督:濱口竜介 第94回アカデミー賞で日本映画では史上初となる作品賞にノミネートされ、最終的に国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督による商業映画デビュー作。芥川賞作家・柴崎友香の同名恋愛小説を映画化した作品で、別人だが同じ顔を持つ2人の男性と恋に落ちていくヒロインの葛藤を描くラブストーリー。ヒロインの朝子を唐田えりか、朝子が恋に落ちる2人の男性・麦と亮平の2役を東出昌大が演じる。 東京。丸子亮平(東出昌大)は勤務先の会議室へコーヒーを届けに来た泉谷朝子(唐田えりか)と出会う。ぎこちない態度をとる朝子に惹かれていく亮平。真っすぐに想いを伝える亮平に、戸惑いながら朝子も惹かれていく。しかし、朝子には亮平に告げられない秘密があった。亮平は、2年前に朝子が大阪に住んでいた時、運命的な恋に落ちた男性・鳥居麦(東出昌大)に顔がそっくりだったのだ。5年後、亮平と朝子は共に暮らし、平穏だけど満たされた日々を過ごしていた。そんな時、朝子は昔の知人と再会、思いがけず麦の行方を知ってしまう。 |
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『寝ても覚めても』
・発売日:DVD&Blu-ray発売中・発売・販売元:バップ ・価格:Blu-ray ¥5,830(税込) DVD¥4,180(税込) (C)2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/COMME DES CINÉMAS |