筒井哲也の同名コミックを、藤原竜也と松山ケンイチ主演で映画化。過疎化に苦しむ小さな島に突如現れた、一人の怪し気な男――。彼の登場で島民たちの運命が大きく狂っていく様が描かれる。本作の舞台となった「猪狩島」は架空の島だが、撮影は愛知県の知多半島周辺で行われた。今回は、シーサイドドライブが楽しめるこのエリアを、映画の重要なカギとなった“特産品”に注目して巡ってみよう。 |
藤原竜也演じる島の青年・圭太が栽培していたのが黒イチジク。劇中でこの黒イチジクは5億円の交付金をもたらす島の希望となっていたが、愛知県のイチジクも、全国で1位の生産量を誇っている。中でも、知多半島のイチジクは、温暖な気候の中、完熟に近い状態で収穫するので、甘さ満点。そのまま食べるのはもちろん、ジャムやジュースもお薦めだ。 |
知多半島で有名な工芸品といえば、赤茶色の急須でおなじみの常滑焼。日本六古窯(ろっこよう)の一つであり、1000年以上の歴史を持つ伝統ある焼き物の産地で、タイルや招き猫の産地としても知られている。「やきもの散歩道」は、常滑市内の焼き物にゆかりのある場所を巡る観光コースで、陶器の廃材を利用した「土管坂」やレンガ造りの「窯場跡」、巨大招き猫「とこにゃん」などフォトジェニックな街の風景が人気を集めている。 |
知多半島から少し足を延ばせば、スローな島旅が楽しめる。知多半島と渥美半島に囲まれる三河湾には、佐久島、日間賀島、篠島という3つの島があり、いずれも船で30分以内とアクセスも良好。劇中、圭太のイチジクを紹介しようとテレビスタッフが撮影を行っていたのは、「日本の夕陽100選」にも選ばれた篠島。シラスやタイ、タコ、フグなど四季を通じて新鮮な海の幸が味わえるので、ぜひ絶景をお共にいただこう。中でもタイは「御弊鯛(おんべたい)」として伊勢神宮に古くから奉納されており、神様お墨付きのおいしさだ。 |
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監督:廣木隆一 『予告犯』などの作品で人気を集める漫画家・筒井哲也の同名コミックを実写映画化した作品で、絶海の孤島で繰り広げられるサスペンス。誤って犯してしまった殺人を隠蔽(いんぺい)するため、死体隠しに奔走する者たちを描く。主演を務めるのは映画『デスノート』シリーズでもタッグを組んだ藤原竜也と松山ケンイチ。他にも柄本明、永瀬正敏、神木隆之介、黒木華、鶴田真由ら豪華俳優陣が出演している。 絶海の孤島で暮らし“黒イチジク”を栽培している泉圭太(藤原竜也)。栽培する黒イチジクに注目が集まり、国から5億円の交付が決まった矢先、島に謎の男(渡辺大和)が現れる。家族を狙うその男を圭太は図らずも殺めてしまう。島と家族の未来を守るため、親友の田辺純(松山ケンイチ)、新米警察官の守屋真一郎(神木隆之介)と共に死体を隠すことを決断する圭太。しかし、殺した男は出所したばかりの凶悪犯だった。男を追って、島には刑事(永瀬正敏)らが押し寄せる。島を守るために犯罪を隠す圭太たちと、正義を守るために島に土足で上がり込む県警。両者の攻防はやがて島民たちをも狂わせていく。 |
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『ノイズ』(豪華版 Blu-ray&DVD)
・発売日:発売中・発売・販売元:バップ ・価格:¥8,250(税込) (C)筒井哲也/集英社 (C)2022映画「ノイズ」製作委員会 |