幼い頃、両親と離別したヤスに息子が誕生した。周囲から「とんびが鷹(たか)を生んだ」とはやされるが、やがて妻の事故死により、父子2人の生活を余儀なくされる―。2022年春に阿部 寛主演で公開された映画『とんび』は、重松清による同名の連載小説が原作。岡山県各地で撮影が行われた。なお、同作のロケ地MAPは「岡山観光WEB」というサイトから入手可能である。そこで、映画とは異なった視点で岡山県の海的なスポットを探してみよう。 |
岡山県の海的なスポット1カ所目は、同じ海でも「雲海」なんていかがだろう。高梁市に位置する「備中松山城」は、まるで雲の上に浮かぶかのような景色から天空の城とも呼ばれている。通常、9月下旬〜4月上旬にかけて雲海が発生しやすくなるそうなので、年末・年始に望みをかけるのも悪くない。JR備中高梁駅から展望台まで運行している「雲海タクシー」(要予約)なら、道に迷うことなく約20分で到着するだろう。その際、運転手さんから、近場の穴場情報を仕入れられるかもしれない。 |
岡山県の海的なスポット2カ所目は、青色つながりで「ベティスミスジーンズミュージアム&ヴィレッジ」を選んでみた。同施設のある倉敷市児島は国産ジーンズ発祥の地として知られ、所要時間約1時間でオリジナルジーンズづくりが可能だ。もちろん、ミュージアムとしての機能も充実している。また、JR児島駅ほかで見られるジーンズモチーフを探してみるのも楽しそう。 |
岡山県の海的なスポットの最後は、幻想的な鍾乳洞、その名も「満奇洞」(まきどう)をご紹介しよう。豊富な水をたたえた洞内湖が、海を連想させなくもないからだ。全長約450メートル、洞内は一定の気温に保たれているため、冬でも心持ち暖かい。そして、LED照明で鮮やかにライトアップされた景色は、映画のロケ地やコスプレイヤーの撮影舞台としての人気が高い。また、入口付近がハート型に見える「恋人の泉」は、恋人の聖地とも呼ばれている。 映画のロケ地とともに、本当の海スポットを巡るのもいいだろう。しかし海以外にも、トンビと思っていたらタカ級な場所はあるはずだ。ぜひ、お見逃しなく。 |
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監督:瀬々敬久 岡山県出身の直木賞作家・重松清のベストセラー小説「とんび」の映画化。メガホンをとるのは『64 -ロクヨン-』『糸』『護られなかった者たちへ』などの瀬々敬久監督。主人公の破天荒ながら愛すべき父・ヤス役は、『テルマエ・ロマエ』『下町ロケット』の阿部 寛、ヤスの息子・アキラ役は、『君の膵臓をたべたい』『東京リベンジャーズ』の北村匠海が演じる。その他、薬師丸ひろ子、杏、安田 顕、大島優子、麻生久美子など豪華キャストが集結した。さらに、ゆずにより書き下ろされた主題歌「風信子」(ヒヤシンス)が、エンディングを彩る。 豪快奔放で不器用な男・ヤス(阿部 寛)は、幼い頃に両親と離別したヤスにとって、“家族”は何よりの憧れだった。そんな中、愛する妻・美佐子(麻生久美子)の妊娠が発覚。やがて生まれた息子・アキラ(北村匠海)のためにも、懸命に働くヤスだったが、ようやく手にした幸せは、ある日、妻の突然の事故死によってもろくも崩れてしまう。悲しみに沈むヤスだったが、人情に厚い町の人々に支えられ、アキラを育ててゆく。時は流れ、高校3年生になったアキラは、東京の大学を目指し合格。だが、別居の寂しさを素直に伝えられないヤスは、「一人前になるまで帰って来るな!」と突き放してしまう。そして時が流れ久々に再会した二人だったが─。 |
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『とんび』
・発売日:Blu-ray&DVD 好評発売中・発売元:バップ ・価格:Blu-ray(豪華版) ¥5,940(税込) DVD(通常版) ¥4,180(税込) (C)2022『とんび』製作委員会 |