時は大正時代。一流の活動弁士に憧れるも、ニセ弁士として泥棒の片棒を担ぐ俊太郎(成田凌)が流れ着いたのは、閑古鳥の鳴く映画館・木館。今度こそ夢をかなえようと期待に胸を膨らませるも、そこは個性的なクセ者ばかりで─。『Shall we ダンス?』『それでもボクはやってない』の周防正行監督が描くのは、無声映画時代、楽士の音楽に合わせ、自らの語りや説明で映画を彩った活動弁士の物語。映画の舞台となった木館は、福島市内にある「旧広瀬座」で撮影された。今回は『カツベン!』の時代である“大正レトロ”をテーマに福島県のスポットを巡ってみよう。 |
俊太郎や茂木(高良健吾)らが弁を振るった映画館・木館は、「福島市民家園」にある国指定重要文化財「旧広瀬座」が使用された。ここは明治20年(推定)に建てられた大衆娯楽施設で、実際に活動写真も上演されにぎわいを見せていたという。このほか園内には、移築・復元された江戸時代中期から明治時代中期の民家やかっぽう旅館などがあり、昔の日本の暮らしを見ることができる。 |
福島市から車で1時間30分ほど、会津若松市の「七日町通り」は、洋館や蔵造りなどが建ち並ぶレトロな風景で人気のスポットだ。通りには、老舗の酒蔵や会津木綿、会津絵ろうそくなど会津ならではの特産品や飲食店が並んでいる。大正ロマンの雰囲気を味わいながらのそぞろ歩きを楽しもう。 |
会津若松市を訪れたら、足を延ばして国重要文化財「円通三匝堂(えんつうさんそうどう)」へ。ここは世界でも珍しい二重らせん構造で、その独特な構造や外観がサザエに似ていることから「会津さざえ堂」とも呼ばれている。お堂内は、上りと下りが別の通路になった一本道で、スロープに沿って進むことで、安置された西国三十三観音参りができる仕組みになっている。傾斜した窓枠やスロープ、低い天井に平衡感覚を失いそうになる、不思議な感覚を体感してみよう。 |
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監督:周防正行 『Shall we ダンス?』『それでもボクはやってない』の周防正行監督作品。映画にまだ音がなかったサイレント映画時代を舞台に、生演奏の音楽とともに映画を説明する専任の解説者、活動弁士(通称“カツベン”)の物語を描く。一流活動弁士になることを夢見る若き一人の青年が主役のコメディドラマ。主人公・俊太郎役は、『スマホを落としただけなのに』『窮鼠はチーズの夢を見る』など成田凌。本作が映画初主演となる。ヒロイン役を連続テレビ小説「ちむどんどん」の黒島結菜が演じるほか、永瀬正敏、高良健吾、井上真央、竹野内豊、竹中直人、渡辺えり、小日向文世ら豪華メンバーが顔をそろえる。 小さい頃から活動弁士に憧れていた染谷俊太郎(成田凌)。一流の活動弁士になると夢を抱いていたが、ニセ弁士として泥棒一味の片棒を担がされる日々。そんなインチキに嫌気が差した俊太郎は一味から逃亡し、とある小さな町の映画館・木館に流れつく。木館は隣町のライバル館に客をとられ閑古鳥が鳴いていた。木館で雑用係として働くことになった俊太郎は“やっとホンモノの活動弁士になれる!”と期待で心躍るが…そこに居たのは、人使いの荒い館主夫婦、大酒飲みの酔っ払い活動弁士、スター気取りの活動弁士、職人気質な映写技師など個性派のくせ者ばかり。果たして俊太郎の夢は、どうなるのか? |
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『カツベン!』
・発売日:DVD発売中・販売元:東映 ・発売元:東映ビデオ ・価格:DVD ¥5,170円(税込) (C) 2019『カツベン!』 製作委員会 |