中井貴一×佐々木蔵之介のW主演で、幻の茶器をめぐるだまし合いを描いた痛快コメディシリーズの3作目。第1作『嘘八百』では堺、第2作『嘘八百 京町ロワイヤル』では京都が舞台だったが、本作では再び舞台を大阪に戻し、太閤秀吉のお宝を手に入れようとするカリスマ・アーティストや企業を相手に、<骨董コンビ>が大ばくちに打って出る。 |
さて、大阪のシンボルといえば、ご存じ「大阪城天守閣」。天正11年(1583)年の天下統一後、豊臣秀吉により築城されたが、大坂の陣による落城や明治維新時の焼失などを経て、昭和6年に再建。現在は3代目がその雄姿を見せている。そんな大阪城は、劇中にも幾度となく登場。佐輔(佐々木蔵之介)の夢のシーンで登場した「ミライザ大阪」や、TAIKOHクリエイションの社屋となった「読売テレビ」など、さまざまな角度からその眺めが楽しめる。 |
シリーズ第1作『嘘八百』の舞台だった堺市は、則夫(中井貴一)や佐輔のホームグラウンド。仲間たちと集う居酒屋や佐輔の自宅なども堺エリアで撮影された。則夫が営む古美術屋「獺(かわうそ)」は、堺で最も長い歴史を持つ「堺山之口商店街」の一角で撮られたもの。昔ながらの店も残るこの商店街と、商店街に沿うようにして走る“チン電”こと路面電車の風景は、ノスタルジックな雰囲気が漂っている。また、商店街の近くには、“茶の湯の大成者”千利休の屋敷跡や、千利休と同じく堺出身の与謝野晶子の功績を紹介したミュージアム「さかい利晶の杜」もあるので、ぜひ足を延ばしてみよう。 |
1作目で千利休の、2作目では利休の弟子・古田織部の幻の茶器が物語の核だったように、『嘘八百』シリーズにおいて、器は欠かせないキーワードだ。そこでこの機会に、茶器や陶磁器のことについて学んでみるのはいかがだろう。中之島公園内の一角にある「大阪市立東洋陶磁美術館」では、国宝2件、重要文化財13件を含む5,732件(2023年3月末時点)の陶磁器が所蔵されており、東洋陶磁のコレクションとしては世界一級の質と量を誇っている。今年4月には、2年にわたる改修工事を経てリニューアルオープンするので、ぜひ美しい斑文と繊細な光彩をもつ国宝「油滴天目茶碗」※を間近で見てみよう。 ※展示されていない期間もあるので、詳しくは「大阪市立東洋陶磁美術館」にお問い合わせください。 |
|
|||||||||
監督:武正晴 『嘘八百』(2018)『嘘八百 京町ロワイヤル』(2020)に続く中井貴一×佐々木蔵之介の≪骨董コンビ≫シリーズ第三弾。本作で≪骨董コンビ≫を翻弄するのは、孤高のアーティスト“TAIKOH”。演じるのは安田章大(SUPER EIGHT)。“TAIKOH”に寄りそう謎の美女には中村ゆりを迎え、その他存在感抜群の実力派、愛すべきおなじみメンバーも勢ぞろい。三度目のメガホンを取るのは『百円の恋』で日本アカデミー賞優秀作品賞に輝き、昨今は「全裸監督」シリーズで話題の武正晴監督。 これまで千利休、古田織部の茶器をめぐって大騒動を繰り広げてきた古美術商・小池則夫(中井貴一)と陶芸家・野田佐輔(佐々木蔵之介)。そんな≪骨董コンビ≫の目の前に一攫千金のお宝が現れた。日本一の出世頭・太閤秀吉の縁起モノ「秀吉七品」の中でも、唯一所在不明の「光輝くうつわ〈鳳凰〉」だ。「幻のお宝」を狙って、開催間近の大坂秀吉博をはじめカリスマ波動アーティスト“TAIKOH”(安田章大)やその財団を仕切る謎の美女が絡み、歴史・骨董・アートのロマンと強欲が激突。大阪城を背景に繰り広げられる天下の≪騙し合い≫に≪骨董コンビ≫とその陣営はどう挑むのか、見事大金をつかむことはできるのか―。 |
||
『嘘八百 なにわ夢の陣』
・発売日:Blu-ray&DVD発売中・発売・販売元:東映ビデオ ・価格:Blu-ray:5,280円(税込) DVD:4,180円(税込) (C)2023「嘘八百 なにわ夢の陣」製作委員会 |