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親友を突然失ってしまった女性を中心に、亡き友をめぐる人々との思いがけない縁を描いた、黒木華主演の心温まる群像劇。故・佐々部清監督が温めていた同名小説の映画化企画を、『彼女が好きなものは』の草野翔吾監督がその遺志を引き継いで完成させた。今回は、メインで撮影が行われた三重県桑名市のロケ地をご紹介しよう。 |
| 桑名市を訪れたら、ぜひ見ておきたいのが、明治・大正期を代表する重要文化財「六華苑」だ。洋館と和館から成る邸宅で、大正2年に実業家・二代諸戸清六の住まいとして完成した。鹿鳴館を手がけたジョサイア・コンドルが設計した洋館では、装飾階段や応接室に、大正期ならではのモダンな息づかいが漂う。劇中では、梓(黒木華)が親友の叶海(藤間爽子)や恋人の澄人(中村蒼)と食事をした「レストランROCCA」から、その淡い水色の外観が印象的に映し出されている。 | ![]() |
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ピアニスト・こみち(草笛光子)の家の近くにある公園は、その名も「歴史を語る公園」。かつて桑名は東海道四十二番目の宿駅として栄え、伊勢湾の海上交通の拠点でもあったことから、公園内には東海道五十三次をイメージした道標や富士山のモチーフがかわいらしく配置されている。また、少し足を延ばした「七里の渡跡」には、伊勢路の海の玄関口を示す「伊勢国一の鳥居」が立ち、ちょっとした東海道中の気分を味わえる。 |
| さて、桑名といえば、「その手はくわなの焼きはまぐり」の洒落言葉でも知られるはまぐりの名産地だ。伊勢湾の海水と木曽三川の流れ込む豊かな漁場で育まれるはまぐりは、身がふっくらとして柔らかく、その甘みとうまみは、江戸時代から人々の舌を虜にしている名物だ。焼きはまぐりはもちろん、酒蒸しやしぐれ、てんぷらなど、桑名ならではの特別な一皿を楽しもう。 | ![]() |
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監督:草野翔吾 原作は中條ていによる連作短編集『アイミタガイ』。物語の中心となるのは、親友を突然失ったウェディングプランナー・梓。彼女が、故人とのトーク画面にメッセージを送り続ける中で、思いがけない出会いや、連鎖的に広がる人の絆に触れていく群像ドラマである。監督を務めるのは、学生時代から自主制作映画で数々の賞を受け、長編作『彼女が好きなものは』でも注目を集めた草野翔吾。主演には、第64回ベルリン国際映画祭で受賞歴を持つ黒木華を迎え、共演には中村蒼、藤間爽子、安藤玉恵など、実力派キャストが名を連ねる。本作の主題歌は、主演を務める黒木が往年の名曲「夜明けのマイウェイ」をカバーした楽曲となっている。 ウェディングプランナーとして忙しく働く梓(黒木華)は、かつて心を通わせた幼なじみでカメラマン・叶海(藤間爽子)の訃報を知る。結婚を控える交際相手・澄人(中村蒼)がいながらも心の整理がつかず、彼女に宛てて未送信のメッセージを綴り続けていた。やがて、叶海が生前に撮り溜めた写真や、児童養護施設への支援活動を通じて多くの人々の心に残した優しさを知る。そしてある日、誰にも読まれるはずのないその“送信済み”メッセージに、突然「既読」の文字が並び始める――。 |
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