映画で観た、あの場所に行ってみよう!ストラーダスクリーン名場面ロケ地ガイド
【今月の映画】ラストレシピ 〜麒麟の舌の記憶〜
時代を超えて受け継がれる、文化と歴史に浸る旅
2000年代初頭と戦前の1930年代、二つの時代に現れた2人の天才料理人を中心に展開される『ラストレシピ 〜麒麟の舌の記憶〜』。人気料理番組「料理の鉄人」の演出家・田中経一のデビュー小説を、演技派俳優の二宮和也と『おくりびと』の滝田洋二郎監督がタッグを組んで映像化した感動作だ。作品内に登場するきらびやかな料理の数々、そして天才料理人を演じた二宮の料理と向き合う姿勢や表情からも目が離せない。
そんな本作のロケ地となったのが、豊かな緑と文化的背景を持つ埼玉県入間市。撮影に使用されたのは、約100年前に全国有数の会社だった石川組製糸によって、外国商人を招くための迎賓館として建てられた「旧石川組製糸西洋館」だ。2018年7月から一般公開されており、足を踏み入れると当時のままの趣を存分に感じることができる。一般公開日は限定されているため、事前に公式ウェブサイトでの確認をお忘れなく。
狭山茶の主産地としても知られる入間市では、毎年、立春から数えて88日目の5月2日(うるう年は5月1日)に、「八十八夜新茶まつり」が行われる。当日は、手もみ茶の実演やお茶の入れ方教室、新茶の無料接待などが行われ、狭山茶に触れるには最適の機会。土産店では摘みたての新鮮な狭山茶はもちろん、狭山茶を使ったオリジナルスイーツも多く販売されており、ここでしか出合えない一品を探してみるのも楽しみの一つだろう。
より深く狭山茶の歴史や文化を知るなら、お茶をメインにした博物館「入間市博物館ALIT」に立ち寄ってみよう。ここでは、国登録有形民俗文化財の「狭山茶の生産用具」が常設展示され、狭山茶を含む国内外の奥深いお茶の世界を垣間見ることができ、他にも約1万5千年前の旧石器時代から昭和41年の入間市誕生までの歴史も学ぶことができる。
敷地内には、狭山茶や埼玉県産の食材を使った料理が食べられる「レストラン お茶っこサロン 一煎」も併設されているので、爽やかな香りとこくが魅力の狭山茶を堪能してみてはいかがだろうか。
平成2年に市指定文化財に認定された「旧黒須銀行」も、入間市の歴史に触れることができるスポット。数少ない現存する土蔵造りの銀行建築で、明治42年に黒須銀行本店として建設された。銀行の設立に助言し、顧問に就任していた実業家・渋沢栄一は、2024年度前半に刷新される新1万円札の肖像に採用された話題の人物。かつて世間から「道徳銀行」と呼ばれ、渋沢氏の経営哲学を体現した同行は由縁の地といえる。当時の情緒が残るこの場所を訪れ、じっくりと感慨に浸りたい。
ロケ地・「入間市」の魅力
入間市といえば、「米軍ハウス」とも呼ばれる平屋のアメリカン古民家が点在する人気のレジデンスプレイス「ジョンソンタウン」や、国内外の有名メーカーやアパレルブランドの店舗が立ち並ぶ「三井アウトレットパーク入間」がよく知られているが、のどかな風景が楽しめるスポットや風情のある文化財も多い。入間川に架かる中橋から望む様子は、ゆったりと流れる清流と背景に広がる奥多摩山系が、なんとも絵になる光景だ。桜が咲く時季は、一段と華やさが増すことは言うまでもない。

●マップコード:5 572 819*62
●住所: 埼玉県入間市豊岡1-16-1入間市役所商工観光課内
●TEL: 04-2964-4889
●URL: https://iruma-kanko.jp/
●アクセス:
電車/西武池袋線・池袋駅→入間市駅
車/圏央道「入間IC」から国道16号を経て約10分、関越道「所沢IC」から国道463号を経て約40分

ラストレシピ 〜麒麟の舌の記憶〜

『ラストレシピ 〜麒麟の舌の記憶〜』

・発売日:発売中
・発売元:テレビ朝日
・販売元:東宝
・価格:DVD ¥3,800+税
©2017 映画「ラストレシピ 〜麒麟の舌の記憶〜」製作委員会
©2014 田中経一/幻冬舎
天才料理人は、[最後の一皿]に何を託したのか。
Staff&Cast

監督:滝田洋二郎
出演:二宮和也 西島秀俊 綾野 剛/宮アあおい
西畑大吾 兼松若人 竹嶋康成 広澤 草
グレッグ・デール ボブ・ワーリー 大地康雄
竹野内豊/伊川東吾 笈田ヨシ

Introduction

天才的な味覚“麒麟の舌”を持つ料理人・佐々木充が、1930年代に消えた伝説のフルコース“大日本帝国食菜全席”のレシピの謎を追っていくミステリー。主人公の佐々木を二宮和也、伝説のフルコースを考案した料理人・山形を西島秀俊がそれぞれ演じる。その他、綾野剛、宮アあおい、西畑大吾、竹野内豊など豪華俳優陣が集結。監督は『おくりびと』で米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した名匠・滝田洋二郎。

Story

依頼人の「人生最後に食べたい料理」を再現して高額の報酬を得る、通称“最期の料理人”佐々木充(二宮和也)は、すべての味を記憶し再現できる絶対味覚 “麒麟の舌”の持ち主だ。しかし経営に失敗して抱えた多額の借金から、料理への情熱を失いつつあった。そんなある日、中国料理界の重鎮・楊晴明(笈田ヨシ)から巨額の依頼が舞い込む。それは、かつて天皇の料理番・山形直太朗(西島秀俊)が、満洲国で考案したという伝説のフルコース“大日本帝国食菜全席”の再現。太平洋戦争開戦によって山形もレシピ集も散逸されたというが、山形も充と同じ“麒麟の舌”を持っていたのだ―。