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青森県弘前市を舞台に、津軽塗職人の寡黙な父(小林薫)と暮らす引っ込み思案の娘が、自分の道を見いだす姿を追った堀田真由主演のヒューマンドラマ。タイトルの“バカ塗り”とは、バカ丁寧で、バカに丈夫といわれる青森県の伝統工芸・津軽塗のこと。漆を何回も塗り重ねるように、娘の心の機微を丁寧に描いた心温まる物語だ。今回は本作のテーマである津軽塗に触れながら、映画の世界をめぐってみよう。 |
江戸時代中期に生まれた津軽塗。「研ぎ出し変わり塗り」といわれるその技法は、漆を塗る・研ぐ・磨くを繰り返し、ひとつの椀を完成させるのに、およそ2カ月、48もの工程を経て作られる。職人が一つひとつ、手間を惜しまず磨き上げたものは、とても美しく、かつ何年も使える丈夫な逸品となる。この工程を丹念に描いた劇中のシーンは、映画のハイライトのひとつといえるだろう。 | ![]() |
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本作をきっかけに津軽塗の制作に興味を持ったら、「津軽藩ねぷた村」を訪れてみよう。ここでは、津軽塗の箸やスプーンの研ぎを実際に体験できる(要予約)ほか、ねぷたや津軽凧の絵付けなど津軽のさまざまな体験が楽しめる。さらに、ねぷた囃子(はやし)や津軽三味線の生演奏を聴いたり、お土産を購入したり、地元のグルメを味わったりと、津軽の魅力をまるごと味わえるスポットだ。 |
劇中でも幾度か登場する岩木山は、地元の人々から「お岩木さま」や「津軽富士」と呼ばれ、親しまれている青森県の最高峰である。津軽平野に裾野を広げ、そびえ立つ姿は実に優美だ。8合目まで通じる津軽岩木スカイラインは、全長約10kmの間に69ものカーブがあり、曲がるたびに違う表情の絶景が楽しめる。また、9合目まではリフトもあるので、山頂まで登ることも可能。八甲田山や七里長浜、鯵ヶ沢、さらには遠く北海道の松前崎まで見渡せる壮大な景色は圧巻だ。 | ![]() |
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『バカ塗りの娘』 ・発売日:Blu-ray&DVD発売中・発売・販売元:アミューズソフト ・価格:Blu-ray:7,150円(税抜価格 6,500円) DVD:6,050円(税抜価格 5,500円) (C)2023「バカ塗りの娘」製作委員会 |
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監督:鶴岡慧子 ![]() ![]() 津軽塗職人を目指す引っ込み思案の娘・美也子と寡黙な職人の父・清史郎。家族より仕事を優先し続けた清史郎に愛想を尽かして家を出た母、家業を継がず美容師として自由に生きる兄…。津軽塗によってバラバラになってしまった家族が、美也子のある大きな挑戦によって再び向き合う姿を、四季折々の風景や土地に根付く食材と料理、そこに生きる人々の魅力を織り交ぜ描く。つらい時、楽しい時を塗り重ねるように日々を生きる父娘が、津軽塗を通して家族の絆を繋いでいく。 ![]() ![]() 青木家は津軽塗職人の父・清史郎(小林薫)と、スーパーで働きながら父の仕事を手伝う娘・美也子(堀田真由)の二人暮らし。家族より仕事を優先し続けた清史郎に母は愛想を尽かせて出ていき、家業を継がないと決めた兄は自由に生きる道を選んだ。美也子は津軽塗に興味を持ちながらも父に継ぎたいことを堂々と言えず、不器用な清史郎は津軽塗で生きていくことは簡単じゃないと美也子を突き放す。それでも周囲の反対を押し切る美也子。その挑戦が、バラバラになった家族の気持ちを動かしていく。 |