〈丸はつ〉
鶏からそのまま出てきたかのような新鮮な「丸はつ」。驚くほど上品な味だ
「ちょうちん」はひと口で味わえるよう、肉を敢えて小さめに刺している。タレや塩など、調味はすべて予約困難店の『鳥さわ 亀戸』と同じ。串はアラカルトでも注文可能
カウンター越しに焼き場から1本ずつ届く串は、
舌で味わう前に、まず目にも印象深い。
焼きたてをすぐ頬張りたいと思いつつ、串に刺さった素材の美しさをとくと眺めたくなる。例えば皮1本とっても立体的な波状の形が美しい。聞くと、より弾力のある“胸の皮”を使用し、脂がしつこくないようムネ肉を間に挟んでいるのだとか。
口に含めば、近火で炙られた皮の香ばしさがふわっと広がる串打ちの際の細やかな工夫が、大きな味わいの差となり、訪れる者を虜にしているのだ。人気は串を「おまかせ」で出してもらうコースで、客からのストップ方式。次はどんな串が登場するのか、最初から最後まで期待に胸がふくらむ。
鶏からそのまま出てきたかのような新鮮な「丸はつ」。驚くほど上品な味だ
コースの最後に供される鶏白湯スープ。とろりと濃厚な舌ざわりながら、後味はあっさり