天丼
※コースのかき揚げを天丼又は天茶に変更可。
ご飯セットは770円
かき揚げは小柱と三つ葉
旨みを閉じ込めるためキスや穴子は衣を若干厚めに、揚げ時間の早いエビは薄衣にするなど素材ごとに 仕込みや揚げ方も変える。昆布〆の天ぷらなど同店ならではの美味も追求
その天ぷらひとつを供するまでに、一体どれほどの手間と心が注がれているか。店主自ら毎日豊洲に通う素材選び然り。粉の管理、混ぜ具合、さらには食材の味を引き出す衣の付け方や油の温度まで緻密に調節し、揚げる音の変化で火入れを見極める業はまさに職人だ。そんな『天秀』の味に欠かせない大事な要素が、江戸中期から伝わる伝統製法「玉締め搾り」のゴマ油だろう。低圧力で搾り自然の風味を生かした昔ながらのもので、油切れが良く軽やかに仕上がるという。鍋に広がる琥珀の海は輝くように美しく、天ダネを優雅に泳がせれば衣の内で余分な水分が抜け旨みが増幅、香り高き江戸前の味へと昇華する。これぞ天ぷらの奥義。懐にやさしい良心価格にも感謝しかない。
かき揚げは小柱と三つ葉
「玉締め搾り」は製造メーカーがゴマ油全体のシェアで1%未満と貴重。バランスを考えてサラダ油とブレンド。初代は明治創業の名店『天兼』の家系で修業の末、平成元年に独立