穴子 1000円
穴子はホクッと香ばしい。カラリと揚げた骨は酒のつまみにも。『天藤』の「藤」は初代の名前「藤蔵」から
基本的にはエビ、キス(取材時はハゼ)、季節の野菜、かき揚げがのる。油は太白ゴマ油など3種を配合。衣は薄過ぎず食べ応えがあるようにする。コクのあるタレは継ぎ足しで味を調整
天丼の名店が多い浅草だが、芯からシビれるヤツなら『天藤』だ。まずは蓋付きの器がいい。ちょんとはみ出たエビもいい。たまらず開ければ立ち上る湯気の下に並ぶ王道ダネの共演。大きなかき揚げだって入るんだから、ビジュアルだけで目尻が下がる。さて味はと言えばたっぷり染みたタレが一見濃そうだが、しょっぱくなく旨みが深いのでペロリとイケる。素材によってドボンとタレに漬けるか、上から掛けるか、バランスを考えて調整しているんだそう。タレは明治35年の創業から継ぎ足しで、東京大空襲の時は店主が抱えて逃げたとか。まさに店の命。今は4代目夫妻がしっかり守る。
穴子はホクッと香ばしい。カラリと揚げた骨は酒のつまみにも。『天藤』の「藤」は初代の名前「藤蔵」から