シチリアを代表するパスタのひとつ。素揚げしたナスとトマトソースに、仕上げのリコッタサラータ(チーズ)の複雑な香りと塩味が絡み合い、ただただ旨い!
そこにいる人すべての
愛を感じる、町イタの名店
“町”という言葉には、愛がある。街じゃなくて、町。なかでも食べ物屋に、「町の」とつける場合の思いは、親しみやすさや身近さ、そして共に歩みたいと思える愛情、そんなニュアンスを感じさせる。町中華などまさに好例で、通い手は一介の客ではなく、まるで店の応援団。でもそれでいうなら“町イタ”だって、負けていない。むしろ町イタは、もっと熱いかも。
そんな町イタの代表といえるのが、『ロッツォ シチリア』。白金高輪に店を構えて今年で9年、まさに地元の顔的存在だ。一歩店に入ると、江戸前寿司屋レベルの野太い「いらっしゃいませ」の声が飛ぶ。その瞬間、胃袋のやる気スイッチがぐいっと入る。いい夜の始まりだ。
店名が表すとおり、料理はイタリア南部に浮かぶ島、シチリアの味がベース。シェフの中村嘉倫さんが繰り出す料理は、どれもがシンプルで潔く、かつ奥深い。なかでも「青野菜のクタクタ」や「茄子のカポナータ」は、その地味な見た目からは想像もできないほど、心の内ヒダが震える味わい深さ。なんというか、人間の記憶に刻まれた根源的な旨さと言おうか。揺るぎのない、普遍の美味しさなのだ。
そして、これら料理を誰よりも愛しているのが、マネージャーの阿部努さん。彼から、この料理がどれほど旨くて楽しいかの「告白」を聞けば、テーブルの上を皿とワインで埋め尽くさないわけにはいかなくなる。
気づけば、普段より饒舌な自分がそこにいるだろう。それほどに、体が芯から上気する。町イタって最高だなと、思うのだ。
まぐろ自家製 オリーブオイル漬と 根セロリのサラダ1800円
アップルビネガーを利かせてサラダ仕立てに
- MAPコード:523 216*05
- 東京都港区白金1-1-12 内野マンション1階
- TEL:03-5447-1955
- 営業時間:18時〜フード22時LO(ドリンク23時LO)
- 休日:日・月
- カウンターあり、全28席/全席禁煙/予約可/カード可/サなし、パン・レモン代500円別
- 交通:地下鉄南北線ほか白金高輪駅3番出口から徒歩5分