黒川温泉には昔から伝わるおはなしがあります。
豊後の中津留という所に貧しい塩売りの若者と病で寝たきりの父親が住んでいました。
ある日、若者は父親のために瓜を盗もうと商売にしている塩をほんの少しお地蔵様におそなえして瓜畑に入っていきますが、すぐに畑の主に見つかり首をはねられてしまいました。
しかしなんとそこには身代わりになったお地蔵様の首だけが落ちていたのです。
そんなある日のこと、肥後細川藩の修行者がこの首だけのお地蔵様を肥後の国へもち帰ろうとし、黒川でひと休みしていたところ「ここに安置して下され」としゃべられたそうです。
村人たちが、このお地蔵様を大切に守りつづけていたある日、この地より温泉がわき出るようになったというおはなしです。
さあ、このステキな山あいの黒川温泉、風にのって湯けむりさがしに出かけましょう。
風の子旅人がご案内いたします。
(黒川温泉観光旅館協同組合パンフレットより引用)